(あずま祭公演パンフレットより)
@長野県上田東高校小体育館
作:佐藤奈苗
出演:長野県上田東高校演劇班
7月の第一週に長野東にお邪魔しよう~と思っていたら,こちらの学校のフォロワーさんから「うちにも来てください!」とお誘いいただいたので…
その言葉を真に受け…
行ってきました上田東!中信のニンゲンからするとすんごい行きにくい場所!(…と,今まで思っていたけどやっぱ南信の方が大変かもしれないと先週思った。笑)
上田東さんといえば,飯田高校や長野西高校と同じく2006年に県大会の公演を観ているはずなのだけど,これまた記憶がすっぽり抜け落ちていて,昨年の県大会のイメージ!顧問の先生が生徒への愛溢れる作品をお書きになっていたのでした…。(そのときの感想はこちら。)
自分のブログを確認すると,これで「文化祭」のタグがつくのは25作目(実際はもうちょっと観てる。し,自分が作ってる分は抜いてる。)なんですが,
こんなに大会仕様の文化祭公演はじめて…!(゜ロ゜)
びっくりするぐらい,
大会仕様だったのです上田東さん…!
たとえば!
①開演前の1ベル
②開演直前の作品名アナウンス
③開演直前の2ベル
④会場出口横に設置されているメッセージボード…!
すっごいしょーげきてきでした。いろんな文化祭公演があるんだなぁ…。
ぱっと会場に入った時,会場がひんやーりしていて&しーんとしていて,(静か……。)と思ったのです。客入れ音楽掛ければいいのにーって。でも掛けてない理由が自分の中でわかりました。そっか,大会は客入れ音楽とかないものね…。
それが良い悪いじゃなくて,カチカチっとしていて新鮮!ということをお伝えできればと思います。はい。
そして私は前回の県大会のときに,特に気になっていたキャストさんがいたのです。
『平成二十六年度のカルメンシータ』でルシータさん役だった方と,美佳さん役だった方。
なんとーーーーー!
今回お二方ともスタッフさんでしたーーーーーーー!!!(;∀;)ざんねーーーん!
開場待ちしているときに美佳さん役だった方とふぁ~ってすれ違ったんですが,明らかに裏方っぽい格好で(おやおやもしや!?)と思ったのですが,そのもしやでした…。舞台上で発見したかったです…。でもキャストさんもスタッフさんもできちゃうなんてすごいなぁ。
そうそう。パンフレットの中身がすごい充実してました。上田東さん!
こちらもA3両面刷りで,ぺらりとめくると見開きで班員さんお一人お一人のお写真&コメントが…!なんて豪華!そして班員いっぱい!キャストが9人で,みんな高校生の役だったので,写真付きなのは本当にありがたかったです。今も見ながらキーボード打ってるんですが,すごく書きやすいです。笑
パンフレットってその学校の個性や本気が伝わってくるので,見たり読むの大好きですー(^^)
さてさて作品の方へ。
私,このタイトルはずーっと前から知ってたんですけど観たことはなくて。ついに!という感じでした。
週休2日だの土曜休みだの言ってるので,舞台は2002年くらいなのかな。中高生からするとかなりの生活の変化だったなぁ(経験者は語る)。
そうそう。『夏祭り』で一躍有名になった(当時)女子中高生バンドWhiteberryの曲で「ときめきラブコール」という曲があるんですが,その中に“第2土曜日”って単語があって。第1,3,5土曜日は半日授業があった小学校時代を経た私が聴くと,甘美な響きがしたものでした。はいそれは置いといて。
(そう。時代は2000年代前半なのですよ。なのでスマホを持ってた湊くんなんかは,ずいぶん未来からやって来てしまったな…と思いました。笑)
開演して最初の一言目ってすっっっっごく大切だなとどのお芝居でも思っているんですが,度肝を抜かれました。
超通る声がしたから!!!!!「ごめーん!」って。
声ってやっぱひとを惹きつける力があって,ついつい声の主を目で追ってしまうのです…。真澄ちゃん役の方,すごいインパクトがありました。しかしパンフレットを確認すると1年生さんではありませんか!良い人が入ってきたな上田東!笑 いやーこれからが楽しみ!
他に1年生さんで言うと舞ちゃん役の方も素敵でした…。マイワールドにすぐおでかけしちゃう人,素敵…。やきそばコロッケパン?コロッケやきそばパン?のくだりはちょっとたどたどしく感じちゃいましたが,身のこなしとか髪型とか含めて良かったです~。
あと『カルメンシータ』でへにょへにょな店長布施くんを演じていらした方も出ていたのですが,ずいぶん立派になって…。親戚のおばちゃんのような気持ちになってしまいました…。(注※舞台のキャラクターとキャストさんご自身のパーソナリティは関係ありません。笑)こなれたお芝居というか,落ち着いたお芝居ができるのはやっぱり3年生さんだなーと感じました…。
あとあと同じく『カルメンシータ』でシングルマザー(だったっけ?)を演じていた方は,やっぱり詩帆ちゃんのようなポジションが合う方ですね…。おおらかと言うか,ちょっとお姉さん的なところと言うか。そういう役柄が合う方だな~と思いました。
このお芝居は讃岐弁で書かれているみたいです。方言ってもう一種の外国語だと思うので,よくこれに取り組んだなーと思いました。私は讃岐弁のバイリンガルではないので「こんなふうに言わない!」とかわからずそのまま聞き流していましたが,瀬戸内のほんわりした感じが良いですよね。讃岐。
方言が体に染み付くまで大変だろうなと思うんですが,せりふの出は必要以上に丁寧になってしまったかなという感じもありました。全部しっかり聞いて,しっかり出すというか。でも会話劇なので,普通に教室で飛び交っている会話は,果たして本当に最後まで相手の言葉を聞き終えてから返答してるかな?というのは疑問かもしれません。もっと相手の話を遮ることもあるだろうし,あと複数個所で同時に会話が進むというのもあると思うんですよね。ほとんどのせりふがモノラル放送というか単回線になってたので,もうちょっとステレオ放送というか副回線があっても面白いだろうし,自然かなーと思います。
これは演技や演出の話ではなくて脚本の話になっちゃうと思うんですが…,いや私の集中力の問題かもなんですが…スドエリちゃんとカナマイちゃん,気づいたら仲が戻って手をつないではける!みたいな感じになってて,(あれなぜどーして!)と思っちゃいました。スドエリちゃんが振られた話からぽーんと「どこそこに一緒に行ったよね」みたいな話に飛んだ気が…。あぁー,でも,その会話がダイレクトに仲を戻すというよりは二人に何かしらの心情の変化があってまた手をつなごうという気になっていくのだとしたら,それは演出あたりの話になるのかな。とにかくちょっと唐突感が私にはありました。(とか言ってちゃんと私がキャッチできてないだけだったら恥ずかしい…)
演出の話で言うと,距離感とか関わり方の温度の差とか,言葉で出てこない人間関係があぶり出されるのが面白い本だと思うので,そこがもっと見えるといいなって思います。パンフレットの「あらすじ」には“仲が悪いようにみえて本当は仲がいいのか謎の二人の女の子”って文があったと思うんですが,あれだと明らかに悪くて,よさげな要素が見えなかったんですよね。もっとカナマイちゃんは無邪気…というか,今彼が振った相手だとしてももう少しフレンドリーに接すると,スドエリちゃんの(みんなの前だしとりあえず当たり障りなくカナマイと接しよう…)みたいな温度とギャップが生まれて良いのかなー…なんて。
はっ。あと舞台装置の話もすると,黒板がきちんと書ける黒板だったから良かった!教室が舞台の作品でも黒板を含めるとイマイチ使いこなせていない作品も中にはあるけど,「すき焼き」とか…。笑 でもせっかくだから,中野さんあたりがみんなに指示出すときなんかに使っても良かったかも…。
そんでもって出はけが全部上手からなのだけど,センター寄りで観てもパネルが見切れちゃってて役者さんの袖~パネルの出入りが見えちゃったのがもったいなかったですー。逆に使わないなら下手のパネルはなくても良いのかなと思うので,もう1枚上手に持ってきてもよかったのかなーなんて思いました。
そして一番最後の曲が,こう言ってしまうとアレなのだけど,なんだかスーパーで掛かっているような音楽に聞こえなくもないなという感じがしたので,もうちょっと探してみても良いのかも…!
いろいろだだだーっと書いちゃいましたが,上田東さんの穏やかな雰囲気が素敵な舞台でした!なんとなくの想像で思うことですが,演出を担当された方の雰囲気が舞台にも出ているなーという感じがしました。
あと1年生の方が多く出演されていましたが,会場が小体なのに声がしっかり出ているキャストさんが全体的に多くておぉっ!っと思いました。変に癖がないせりふを出せるって大事だなーと思います。
3年生お二人の引退を見守ることもでき,ここまで来てよかったですー!
あと一つ欲を言うなら,公演後にメッセージボード…だと,一度に複数人が記入するのは限界があるのでアンケート用紙があると嬉しいなーなんて思いました。
上田東のみなさん,温かい舞台をありがとうございました。お邪魔しましたー!
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