Saturday, July 4, 2015

長野県長野東高校演劇部 第42回東雲祭公演『カタイジ』

(東雲祭公演パンフレットより一部掲載)

@長野県長野東高校第2体育館

作:高場光春
出演:長野県長野東高校演劇部

先週は南信におでかけした私ですが,そもそも今年度母校以外の文化祭に行こうと思った最初の学校は!この!長野東高校さんなのです!!!

このブログやらTwitterやらで何度も何度も述べていますが,昨年の長野県大会で本当にぐっとくる舞台を作っていたのです,長野東さん。(そのときの感想はこちら。)
私のこの砂漠のような心の中にも,まだオアシスが残っていることが実感できました(;v;)笑

関東大会でこちらの部員さんに直接お会いすることができたのですが,もう感動して泣きそうになっちゃったくらいで。←重症。

(今の(関東当時の)2年生の皆さんの,最後の文化祭公演に行きたい…!)というスイッチが入り,2月に宣言してから5ヵ月。はくたかに乗ってぴゅーっと長野まで行き,長電バスでどどどーっと高校までお邪魔して,公約を果たして参りました。


こ,公演パンフレットが豪華A3両面刷り…!
しかも中は2008年から昨年までの公演の写真がずらーり!

すごーい!毎公演こんなにしっかり写真で残ってるなんて!
(←私は2000年代半ばのニンゲンなので,携帯のカメラなんてせいぜい待受サイズが限界で,デジカメ持ってる人もほっとんどいなかったから。残ってたら超貴重でした。)
裏も外部公演の写真だったり次回の大会の日程だったりが載ってて,パンフレットだけど広告にもなってるからすごいわーなんて思いながら読みました。
あと肝心のキャストスタッフのところは,ぴちっと文字の…インデントって言うんだっけ?文字の出だしが縦にちゃんと揃ってるからとても良かったです。こういうのすごい気になる人なので。笑


そして開演前…。
演出さんの前説の第一声がすごいびっくりしました。びっくりというか(なんて良い声!)って思って。
こんな素敵なひとが裏方さんなんて…。もったいないというか贅沢というか…。そんな気持ちになりました。

あ。そうそう。パンフレットの話に戻るんですが,びっくりしたんです。パッと見て。部員さんは16人くらいいらっしゃるのに,キャストが5人だったから!
部員が多ければキャストも多く…が正解とは思わないのですが,昨年度に部員全体のほぼ限界の数までキャストで出演されていた作品を観ていたので,このギャップに驚きました。役名を見ると全員女子なので,この作品が選ばれた時点で男子部員は出られないし。覚悟というか,長野東の挑戦してくる姿勢がパンフレットから伝わってきました…。(なのでリアルカタイジがあったんじゃないかとか勝手に想像している。←)

お芝居の話に移って…。女子高生のギスギスした感じがとっても魅力的でした…!(ほめてる。)思わず自分の高校生の頃を思い返してしまいました。
高校とか中学とか,そういう枠がきちっとしてる環境の先輩後輩同期の関係って変なところで濃いし,必要以上に侵襲的だし,独特だなぁと思います。私は大学時代は部活じゃなくサークルでそういう関係のひとを作ったので,あとになって当時はガチガチしてたなーと気づきました…。。多分高校とか中学3年間を振り返るときに,部活が良かった悪かったって評価は,引退までの成果というよりも人間関係によるところが大きいんだろうなーとも感じました。

演劇部のひとたちが他の部活のひとを演じるってどうなるんだろうーと思ってたんですが,なんか水泳部って身体接触の面では演劇部に近いものがあるなーとも観てて感じました。身体接触というか,他者の体の扱い方…?距離感??

個人的に,演劇部なんて男女の境があるようでないに近いし,サラシ巻くキャストがいたら誰かが手伝わなきゃだし,早替えとかも手伝えるならしなきゃだし,恥とかそういう次元じゃないから!…と思ってて。水泳部もきっと「体型が…!」とかそういう次元じゃないし着替えとか一緒にするだろうし…。他者の体に触れていいかとか,これだけ寄ったら相手が気にするなとか,そういうものへの抵抗が低い部活なんじゃないかなーとふと思いました。(例えば剣道部とか柔道部だったら,なんとなく気安くぺたぺたできないと思う。)そういう意味で,みんなが蚊帳にきゅっと集まるところとかくっちゃべってるところで後輩が先輩にすりすりすり寄ってくるところから,個人対個人の関係に加えて部全体の雰囲気みたいなものも伝わってきたように思います。

キャストが5人というだけあって,一人一人が個性的でとっても素敵でした…。(あ。超どうでもいいけど,久子ちゃん以外の4人の名字ってセーラームーンみたいだな…。笑)
どの世代にも集団にも自分なりの正義を持ってるひとっていると思うんですが,この中だと特に澄香ちゃんなのかな。寿命で死ぬのとベープで死ぬのじゃ違う!みたいなあたりとか。そうそう。正義というか一人一人にとっての「これが良いだろう」と思うことって違って,そのすれ違いが面白い本だなーって思いました。久子ちゃんだったら虫よけのためにベープとかスプレーとか,陽菜ちゃんだったら蚊帳とか。それが他者にどう影響を与えるかとかそういうことは考えなしに自分の思うところを出していくあたりは10代後半の高校生っぽいなぁなんて。

でも本のところで言うと,最後に久子ちゃんがぷつぷつ言ってるなーと思ったらもう幕!みたいになちゃった感じもして,(あらっ!?)って思っちゃうところもありました。もうあれ以上話は進められないとは思うのだけど,唐突感がなくもないというか。なんだろうか…。演出で何とかなる問題なのだろうか…。
いやでも久子ちゃんの本音が出てくるのが終演間際すぎる気がして,それで私の気持ちの収拾がつかないまま終演になっているのかもしれない…。うーん…。

はっ。そういえばパンフには衣装さんやメイクさんが個人名ではいなかったけど,みなさん見た目が良かった!水泳部っぽくてよかった!赤ってリーダーの色…って訳じゃないけど,茜ちゃんがさらっと着こなしていてさすがですと思ったのと,久子ちゃんが長袖なのも蚊対策なのかなーと思ったのと,陽菜ちゃんの黒髪&前髪ぱっつん&三つ編みが不思議ちゃんオーラたっぷりで素敵だったー!(ほめてる。)
風花ちゃんと澄香ちゃんは黒黒で若干かぶってると思ったけど,でも一人一色テーマカラーとか作っちゃったらいかにもっていう感じがしちゃうので,これはこれで良いのかな。(なんか本当に茜ちゃんと風花ちゃん役の方は普通に水泳部にいそうな見た目で素敵だった…。)


今年は1年生さんがたくさん入部されたと聞いていたので雰囲気も変わってるのかなーと思ったんですが,キャストの面も演出の面も3年生の方ががっちり固めていたので安心して観ることができました…。やっぱり3年生って厚みというか安定の度合いが違うなぁと久子ちゃん役の方や茜ちゃん役の方を観て実感しました。

そう,キャスティングがとても良かったです…。
身長や見た目含めて,すごく自然でした。(これ,後輩役が実際は先輩とかあるのかな)とか思いながら観てたんですが,どうやら実際の学年とキャラクターの学年がほぼ一致していたようなので,そこも自然に見えた要因のひとつになったのかも。

大会に持っていく作品だと思うので,ここからどう詰めていくかが楽しみです(・v・)
会話で人間関係をあぶり出すお芝居って実はすごいムズカシイだろうなーと思いつつ…
せりふは出てきているので,目とか表情とか,ノンバーバルな面が見えるともっと面白くなるだろうなーとか,
口が横開きになりがちな方は縦も意識していけると声がもっとクリアになりそうだなーとか,
せっかく部屋の外の演技があるなら,もっとお芝居をそこまで引っ張ったり,逆に廊下からせりふ出して注目させてから入室してもいいだろうなーとか,
もっと初めて見るもの(部屋の約半分を占領している蚊帳どーん,とか)にハッとする瞬間が見たいなぁとか,
下手の階段いいなーとか,
最後の一人一ランタン(?)がきれいだなーとか,長野東っぽいなーとか,でもちょっと取ってつけた感もあるなーとか,
最後の音響ちょっと長かったなーとか,
蚊帳の中で4人がうちわパタパタしてる姿が蚊のように見えて(?)かわいかったなーとか,
いろいろ思いました…(´∇`)

思ったままつらつら書きまくってすみません…。
年度や作品が変わっても,長野東さんのベースの力をしっかり感じることができました。
OGさんもいらしていたようで,いいなーって思いながら会場を後にしました。
先週飯田高校にお邪魔したときも思いましたが,その学校のホームにお邪魔することで,より一層その学校らしさを感じることができました!
あとやっぱり大会も大事だけど,文化祭公演っていいなぁ。私は高校演劇には文化祭公演で初めて触れたので,原点に返れる気がします。笑

長野東のみなさん,お疲れ様でしたー!地区大会のご成功をお祈りしております!

+++

2015.7.7補足
作品にも何にも関係ないところでつけたしなのですが,アンケート用紙のことで。
アンケートって大きく分けて選択式(はい・いいえとか,よくあてはまる・全くあてはまらないとか)と自由記述式(ご自由にお書きください)に分かれると思うのですが,全部の項目で自由記述だと文を考えたり書いたりで時間がかかってしまうので,可能なところは選択式にできるとお客としてはありがたいなーと思います。
(たとえば音響照明舞台装置あたりはとてもよかった~普通だった~全くよくなかったみたいな5段階で聞けるかな…?)

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