Saturday, January 24, 2015

第50回関東高等学校演劇研究大会(八千代会場) 茨城県立下館第二高校演劇部『Damn! 舞姫!!』

@八千代市市民会館

作:関勝一
潤色:中野陽香
出演:茨城県立下館第二高校演劇部

あー,面白かった!
関東らしい,笑いの取れるお芝居!…というのが第一印象!
みなさんすごーくいいポジションにいらして,まさに適役。脚本の使い方がうまいなぁ~と思いました。

そう,ホンがよかった。
高校生が「舞姫」の人物像を深めるために登場人物になりきって寸劇をしていくうちに,自分自身のことと重ねたり,現代的に解釈していく…というお話なのだけど,私多分「今の感覚で解釈していく」って,好きなんだわ。きっと。例えば昨年観た世田谷パブリックシアターの『花子について』とかがそう。三島由紀夫作品を構成し直して作っているのだけど,21世紀に生きる私が観てもすんごい共感できるとこあるじゃんって。
特に「舞姫」は高校生ならほぼ確実に触れる作品なので,それを題材にしているのはきっと正解なんだろうな。“高校生ならでは”という視点で見ると。そういう意味で,ホンがよかった。

個人的に,山口と相沢とユータの3役をやった彼がいい味出してて,すんごい好みです(笑)。
あの上手のはじっこで,口数少なに佇むユータと山口&相沢のギャップがものすごい素敵。それぞれの出番はごくわずかだけど,すんごいインパクト!よかったー。身軽だし見応えありました。早替えもお疲れ様です…。笑

山口くんの登場の仕方が面白すぎてすごかった。彼のあの登場のためだけにホリゾント使ってました…よね?なんて豪華なの!しかもT.M.Revolutionのあのイントロのキラキラ感が山口くんにピッタリすぎて…。良い選曲ですね。しかもみんな踊っちゃうんですね。巻き込む力,半端じゃないな…。

でも,多分そのホリゾントのため…の舞台装置が逆効果になってしまっているところもあって,エリス役の方の声なんかが後ろに吸われてしまいがちだったかなと思います(><)残念…!
いっそのこと山口くんが出てきたら真ん中で幕を下ろして割っちゃうとか,もう少し声がこっちに来るような工夫があると聞こえやすかったなぁと思います。
だけど話が面白かったので,聞こう聞こうという意識が働いて,ほぼ聞き取れたと思います。笑

そうそう。スカートの丈とか,そのあたりに個性の違いが感じられてよかったです。西さんとエリス役の方とか(役名忘れてしまった…),すごい顕著で。あと,「ぺ!」とかちょっと捨て身感があって,良い意味で等身大のお芝居が見られたなーと思います。

ストーリーテラー的な役割の方(これも役名忘れてしまった…)が,最後に鴎外のママをやるところも,観ていて(おおっ,そう来るのか!)と思って面白かったです。すんごい何重もの扉とかガッシャーンな扉?シャッター?も,ちゃんと見えたので,さすがだな関東大会…と思いました。笑

舞姫から始まり,実在したエリーゼはきっと幸せだったという解釈に至るまでを追う中で,西さんの成長がちゃんと見られた!西さんにも,幸せになってほしいよ…。

あとあと,一度も場面転換しなかったから成し得たことだと思うのだけど,舞台装置が本当によく作り込まれていた…!図書室!ちゃんと図書室だよ…!
私もかつて本がぎっしりの本棚を舞台で使わなくちゃいけなかったのだけど,移動の関係で本の空箱を使ったり,いろいろカモフラージュが必要だったのです。が,館二のみなさんの本棚には本当に本がぎっしり…!やっぱりここまであると,重量があるというか,きちんと場の質感が出てくるんだなーと思いました。

テンポの良い会話,コミカルな演技,でも聞かせるところはきちんと聞かせてメリハリがあるところ。さらっとやってのけている感じで,観ていてとっても心地よかったです。何より楽しそうにお芝居されている雰囲気がよく伝わってきて,こっちまでウキウキしてしまいました。

下館第二のみなさん,お疲れ様でしたー!

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