Monday, November 3, 2014

まつもと市民芸術館『K.テンペスト』


@まつもと市民芸術館 特設会場

作:W.シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出+潤色+美術:串田和美
照明:齋籐茂男
音響:市来邦比古
音楽監督:片岡正二郎
演出助手:木内宏昌
芸術監督:串田和美

出演:串田和美/高岡奏輔/門脇麦/大森博史/真那胡敬二/斉藤直樹/藤尾勘太郎/坂本慶介/飯塚直/近藤隼/佐藤卓/細川貴司/下地尚子

一昨年の『K.ファウスト』に引き続き,『K.テンペスト』…。串田さんは,そろそろ何かをまとめようとしていらっしゃるのかもしれないと思いました。
そして,これが今の串田さんの“やりたいこと”なんだろうなぁと思いました。

残ったひと,出ていったひと,出ていっても見守っているひと,いろんなひとがいて,いろんな思いがあって,生きている限り,ひとも思いも考えも,常に動いているんだなぁと思います。

私はもう,ワクワクした気持ちではこの世界にはいられないんだろうな。でも,それが生きてるってことなんだと思います。


芝居は嘘のかたまり。そう思ってます。だからその嘘で酔わせてほしい。

だけど唯一例外があるなら,串田さんのお芝居なんだと思います。

台本からお芝居をつくるのではなく,ニンゲンからお芝居をつくる。
だから嘘がない。そのひとそのものが存在しているように見えるから,嘘には見えない。


「コーカサスに似てる」という事前情報を得ていました。
劇場に入った途端,すごく懐かしい気持ちになりました。
ほんとうにそうだったから!

『コーカサスの白墨の輪』。高校生の時に観た音楽劇。部活帰りに観に行って,松たか子から直接赤い布を受け取った,忘れもしないあの舞台。
あのときめきを思い出させてくれるつくりの舞台でした。はぁ…。
黄緑と黄色の布がかかった椅子も,コーカサスにあった!(ていうかあれに私座った!)
ずいぶん大人になってしまいました。しゅん。


門脇麦の声が,部活の後輩の声にそっっっっっくりすぎてびびりました。
この方のお芝居は今まできちんと観たことなかったのだけど,これから注目してゆきたいです…。


しかし…この前日と前々日,私は長野市で高校演劇の県大会で12本を観ており,おそらく情報過多な状態だったのです…。
ので,聴覚刺激が激しくて激しくて,処理にちょっとたいへんでした。ふたりがちょっとずれたタイミングで同じことばを言ったりするとことか。元気な状態で観に行きたかった…。


そもそもこのお芝居は,タイトなスケジュールだったので観に行く予定がなかったのですが,制作担当の方が私の部活の先輩おふたりと知り,即行くことに決めました。わちゃわちゃ楽しく部活をやっていた時から10年。こうして地元でお芝居をつくることに携わっている先輩方が,なんだかうらやましいし,誇らしいです。
…って先輩に言うと「美化されてる」って言われるに違いないんですが。でもお芝居の世界で生きてくって,簡単じゃないから。すごいなって,思います。


串田さんと,まつもと市民芸術館の「今」を味わうことができた時間でした。

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