Saturday, September 6, 2014

Eテレ「青春舞台2014」 久留米大学附設高校演劇部『女子高生』

作:附設高校演劇部・岡崎賢一郎
出演:久留米大学附設高校演劇部

(2014.9.6 Eテレ「青春舞台2014」にて鑑賞)

純粋に,面白かった!

昨年もたまたまテレビで全国の頂点に立った高校の作品を観たのですが,私シャウト系がだめなのと,(さすがトップは深いテーマ…)と思っていたのです。
がっ,この軽快な感じ!それでいて深みがあるこの感じ!
60分飽きずに楽しめました。
男女入れ替えると,こんなに奥深くなるんですね。

本当に個人的な感想を述べると,舞台にJ-POP持ってくるのもそんなに好きじゃないんです,私。
なぜなら浮くから。合っているのは劇団離風霊船の『赤い鳥逃げた…』や,演劇集団声を出すと気持ちいいの会の『女郎蜘蛛』くらいだと思っていました。
でも!今回の『女子高生』もアイドルの曲(しかも「乙女」や「高校生」を歌ってるような曲)をうまーい具合に配置してるなと思いました。SKE48の「パレオはエメラルド」のイントロのキラキラ感とか…良かったです…。舞台っていつでも時代を反映しているものだとも思うんですが,2014年だから入れ込めたのかもしれないなーと思いつつ観てました。あと2年後も,こんなにアイドルグループが乱立しているとは思えないし…。

観ていると,女子高生の中の関係がわちゃわちゃしてて上下関係がパッと見てわかりにくいんですが,話の進行的にはあんまり気になりませんでした。女子高生のパワーですかね…。若干オーバーにも見える動きなのだけど,でも「女子」のオーバーアクションと言う感じで,ちゃんと「女子」に見えてるからすごいなーと率直に思いました。研究,されたのでしょうね…。

『女子高生』の前に,全国大会に出場した学校の密着も観たのですが,全国に行く学校って創作が多いんですね。やっぱり。創作が多いというよりも,創作だからより評価されるのかもしれない。
そしてさらに共通項があるとすれば,地域性や学校の特色を作品に練りこんでる。
青森中央だったら核処理の問題とか。久留米だったら共学化とか。全国大会だからそう見えるのかもしれないけど,それが内輪の話ではなくてきちんと地域性や特色に見えてくるから,すごいなーと思います。

さて,中身の話ですが,
ロミジュリを通してジェンダーについて考えていくあたりが面白いと感じました。
古典はカタいイメージがあるし…(そして西洋の話だし…),私たちにはかけ離れた部分も多いけれど,現代の日本(の高校)に置き換えているというワンクッションを挟むことで,私の消化はよかったです。
久留米の密着でだいたいどういう話かは知ってしまった訳ですが,「わかり合おうとする努力が大事」と黒木華がナレーションで言っていて。劇中でもロミジュリのところで「ちゃんと言わなきゃわかり合えないじゃん」みたいなせりふがあって,ここが核なんだろうなと思いました。

ただ,見せる場転だったので,もう少しキレイだと良いなぁと思いました。しいて言うなら。
なんだろう…。動きかな?それともサスかな?やっぱり光の色?白いと目立つし…。(でもそこの部分を目立たせたいという感じには見えなかった…。)青いのを吊るして,それがつくと良いのかな…。うーん…。

あ,話が前後しちゃいますが,創作するにあたって,そのカンパニーの実情を踏まえて,無理のない構成にするのもテクニックのうちに入るのかなと感じました。この高校に限らず。
そういう観点から見ても,久留米さんは自分達の強みを知っているのだと思いました。作品,カンパニーの力,総合的に評価されたのだと,舞台を通して感じました。

生で観たら,もっと素敵だったんだろうなぁ。
面白い作品を観ることができました。
久留米大学附設高校の皆さん,ありがとうございました。そして,お疲れ様でした。
みなさんがどんな大人になるのか,ちょっと楽しみです。

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