Friday, September 19, 2014

第29回中信地区高等学校演劇合同発表会~ゆめ舞台2014~ 長野県木曽青峰高校演劇部『砂漠の情熱』

@まつもと市民芸術館

作:日下部英司
出演:長野県木曽青峰高校演劇部

まず…音響と照明が,ついてる………!!!!!!!

それってなんて素晴らしいことなんだろう…!

と,思いました。

なぜならば。今年文化祭公演にもお邪魔しましたが(そのときの感想はこちら。),例の南木曽の災害で,その時は思っていた通りのことができたとは言えなかったようです。

もちろん,お客は照明の光を見に来ているわけでも,音響を聞きに来ているわけでもないのだけど,やはりきちんと入ると作品が深まるなぁとしみじみ思いました。
部員お二人ということは,照明や音響さんはお手伝いさんだと思います…。皆さん,お疲れ様でした…。

昨日,葛河思潮社の『背信』を拝見した影響を大いに受けていると自覚して書きますが,「物を見立てる」,「役者と観客で,同じ空間を共有する・間合いを楽しむ」というお芝居本来の魅力を味わうことができたと思います。(「物を見立てる」は,葛河思潮社は特に関係ありませんが。笑)
そういった意味で,30分という短い時間ではありましたが,非常に満足というか,「観た感」がありました。うん。

一番いいなぁと思ったのは,男が豹というか後のエレーヌに触れるシーン。
まだかなまだかな,って感じとか,あー起きちゃった!って感じとか,あ,触って良いんですねって感じとか。胸がときめきました。これこそ芝居の醍醐味です。間にはきちんと,意味があるのです。それを実感できる素敵なシーンだった…。(触っていいよーってところで,エレーヌがその後脚をみょーんってやるところが特に好き。)

さて,登場人物が二人。あなたと私の関係で終わってしまうので,どう始まってどう終わるのかと思いましたが,(はぁー,そうきたかー!)という感じでした。ある意味4人分。メリハリがあって,見やすかったです。

前作にも出ていらしたお二人だったんですが,どちらも雰囲気がガラリと変わっていて,そのキャストさんご自身の魅力がより一層伝わってきました。
前回F役だった方の女性役を観ることができて,個人的に大満足です(笑)。あと,高校演劇なので教育的な観点から見るとどこまでほめていいかわからないんですが,身体が美しかったです…。(←セクハラじゃない。ほめてる。)
あと前回M役だった方も,男性役としてナチュラルに観ることができました。以前よりも見応えがあるように思いました。

内容に関して…。エレーヌが身を投げるシーンは,なんとなーく長野県田川高校がやっていた,『神々の国の首都』のマティのシーンを連想しました。でも奥にあんなお立ち台があるとは!どう落ちるのかなと思ったけど,あぁなのか…。こっち見ながら落ちてくれたら,男はトラウマだろうなぁ…。(わくわく)(←)

でも,男がエレーヌを撃つあたりは,なんか!いまひとつ!いまひとつというか!物足りないというか…?
確かに撃つ計画は立てていたけど,もう半狂乱になって咄嗟に撃つ方が,ハッと我に返れるんじゃないかと…。
あと赤い旗の絶望感というか,あぁこのひとここを去ろうとしてるっていうエレーヌの悲しみが,もう少し観たかったなぁ。もうちょっと前の席だったら観れたのかな…。

なんとなく,この作品を観ていて,源氏物語を連想しました。人生さまよってる感とか,面影を求める感じとか。個人的に。
今回はキャストがお二人とも女性でしたが,ガチで男女がやったらもっと艶めかしくなるんですかね…。きっと女性同士だからさらりと観れたんだろうなと,ふと思いました。笑


そんな感じで,二人芝居って本当に大変だと思うのですが,見応えがありました。来年,1年生の方が入ってくださると良いですね。部が存続しますよう…。

あ,あと!パンフレットを見ていて,かねまるパン店さんの広告が目に入りました。ずっと前から広告出してくれてますよね,ここ…。
他の高校のページにも,それこそ2000年代前半のものにも載っている広告なんかがあったりして,そうやって地域の高校・部活って支えられているんだろうなぁ~としみじみ思ったものです。

木曽青峰のみなさん,お疲れ様でしたー。

+++

(2014.9.24追記)

雌豹がエレーヌの人格になっていくあのシーン!すごく気持ち悪かった!(ほめてる)
気持ち悪いというか,ぞわぞわしました!
言葉を纏っていくにつれて豹から人になっていく感じで…よかったです…。
エレーヌ役の方,惚れ惚れ…。

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