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Friday, July 31, 2015

第61回全国高等学校演劇大会(滋賀大会) 神奈川大学附属中・高校演劇部『恋文』

(全国高等学校演劇協議会公式webサイトより)

@ひこね市文化プラザ グランドホール

作:小林友哉
出演:神奈川大学附属中・高校演劇部

今年の2月。海なし県・長野に,浜っ子の超さわやかーな風が吹いたのでした。

あんな高校生活なかった。あんな友達も周りにいなかった。
でもとってもキュンキュンする!なんだこの高校は!

…というのが神大附属で,ここが全国と決まった時,私は心から満足したのでした。

あれから半年。もうあのキスミントのような作品は拝めない…と思っていたら,うまいこと予定が変わりもう一度観ることができたのですー!きゃー奇跡ー☆
(関東大会の感想はこちら。)

キャストさんのお名前を片っ端から覚えていたわけではないのですが,ざっと見ると関東のときに載っていたお名前がほとんど…?と思ったら,ほぼ関東キャストでした!主要キャストはがっちり関東!またあのおとぼけ&でも愛され環くんやカッコカワイイ昴ちゃんが観られて,もう本当にはわ~ってなって観てました。笑

でも最初の幕開きはすっごいハラハラしちゃって,観客じゃなかったんですが気が気じゃなかったです。そのうち後ろから「うわーこれ音響だなー。かわいそう…」とつぶやくおじさんの声がして,(黙って見守ってください…)と心から願いました。無事音が入ってよかった!
例えばフィギュアスケートでも,音が出たと思ったら自分の曲じゃなくて他の選手のだった…とかたまにあって,掛け直してプログラムが始まるけど動揺しちゃって思うようなパフォーマンスができなかった!ってことがありますよね。(昨年?一昨年?くらいに日本の選手でもあった。)なので緞帳の向こうにいる彼・彼女達は大丈夫かなぁとすごい心配しちゃったんですが,幕が上がったらきちっと始まったので安心しました…。トラブルの原因は私はわかりませんが,やっぱ舞台って魔物住んでるな…って思いました。乗り越えた神大のみなさん,スゴイです…!

半年ぶりなのでここが大きく変わったなとか,この演出変わったなとかそういうところには全然気づけませんでした…。無念…。

だけどやっぱりこの学校の魅力は「表情」と「間」だなーって,改めて思いました。
表情は,顔もだし,声も。特に私は環くんの表情が好きで,見えない女の子に振り回されてうひょーってなってるところとか,うまいこと聞き出そうと企んでるところとか,ふと立ち止まって考えてるところとか,実感がこもっててとても素敵だなーって思います。あと多分,キャストさんご自身のお顔が愛され顔だなって。笑←これは演技でどーのとかじゃないので,ホントにいいもの持ってるなって思います。
声はやっぱり昴ちゃん役の方が素敵で,かっこつけてちょっと高めになっちゃうあたりとか,本心を言うときの落ち着き方とか,声から気持ちが見えるというか。そんな感じがして。あと全体的に,すごくわちゃわちゃしている作品だから最低限聞かせるせりふと流してもOKなせりふの強弱で舞台にメリハリがついてたり,女子がある意味女子を捨てている出し方とかしてて(ピンクちゃんと黄色ちゃんとか。笑),潔さを感じました…。
あとメガネくんの「モテ期かな」とかたまらない…。客席目線であれは100%笑いを取りに行くお芝居だと思うのだけど…,いいですね…。その一言です。笑

家族のアドレスを使った後すぐアドレス変更とかちょっと強引なところもあるけど,空間自体も比較的崩しながら使っていたので,勢いが勝ってもうあまり気になりませんでした。本当に,よくあの勢いをキープできるなぁって思います。
そうそう。新鮮さは「野沢菜うめー!」から「近江牛うめー!」になったくらいで(笑),新鮮味はさほど感じなかったのですが…。逆にこのクオリティを半年キープするってかなり大変だろうなと今思いました。多少キャストさんも変わって,私の気づかないところで変更点なんかもあったと思うんですが,テンポや笑いの質を維持するのって,稽古してると慣れが入ってきちゃうからどうしてもだれてきちゃうと思うんですよね。神大附属のみなさんのピークの持って来方っていうんでしょうか。そういうものの旨さも,なんとなく感じました。

一度観たからストーリーはわかりきっているのに,それでも今目の前で起きていることにドキドキしてしまう。そんな力のある舞台でした。
神大附属のみなさん,お疲れ様でした!

第61回全国高等学校演劇大会(滋賀大会) 長野県松川高校演劇部『べいべー』

(全国高等学校演劇協議会公式webサイトより)

@ひこね市文化プラザ グランドホール

作:青山一也
出演:長野県松川高校演劇部

いよいよ私の出身地・長野県の松川!
昨年の県大会から始まり,関東大会,2ヵ月前のまつもと市民芸術館での公演をちゃっかりしっかり観てきたので,勝手に思い入れがある松川!
お昼休憩直前のいわき総合から出口に近い席を確保し,お昼休憩に入ったらちょっとダッシュして列に並んじゃいました。年甲斐もなく…。←お陰で前方のセンターを確保。たかしくんのプロポーションをお楽しみいただけました。笑
(ちなみに過去の公演の感想は,上記の大会名とか会場名とかにリンク貼りました。)

そう…。4度目の観劇で,2015年度版キャストでの公演も観ているので,そういう視点から書きたいと思います。

60分観て思ったのは,ちゃーーーーーーーんと2015度版になっている!!!
ということ!!!(゜ ゜)
ちゃんと,現メンバーのものになってたんです,今回の舞台!!(大事なことなので2回)

6月のまつ芸では,「3年生が抜けた穴を埋めた感じ」の舞台だったり会場に負けているように見えて,(まぁ仕方ないよね)とどこかで思っていたのです。
がっ!

…きっと,この2ヵ月で新しい役についた方は自分のモノにしようとされたり,新しいキャストさんと昨年度からのキャストさんをうまくなじませてきたんだろうなぁと思いました。
例えば出だしのテンポは明らかによくなっていたし,夫婦がはけていくところは変にせりふを引き摺っていなかったし,詰めた!というのがよーくわかりました。けんたくんが着ている「もも」の衣装も新しくなったりしていて,稽古を重ねて破けたのかなとかいろいろ想像を巡らせていました。笑

あと,キャストの皆さんの髪の伸びで2ヵ月経ったなということも感じました。笑
かりんちゃんの髪の毛の盛り具合とか,さくらちゃんのひとつ縛りとか。(あれ。でも6月にさくらちゃんがどういう髪型だったか覚えてない…!)(でも県とかは下ろしてたので,結べるようになったんだねぇってしみじみ思いました(´v`)笑←そして縛ってあるからちゃんと首も見える…。)(そうそう,前回は天パに見えなかったたかしくんもちゃんとくるくるしていた。)

やっぱり全国ってお客さんも(一緒に芝居をつくるぞ!)って目で観ているような気がして……。たとえば大分豊府の『うさみくん』で手拍子が起きたり,その他でもちゃんとパフォーマンスする側がしかけたところに乗っかって笑ったり,そんなの。そういう土壌があるから,今回の『べいべー』もお客さんが味方してくれたなぁと思いました。義務というよりは,ちゃんと感覚で味方してくれたなと思います。つまり面白さがきちんと届いた!100%部外者ですが,笑いが起きたときはしめしめって思いましたし,安心しました。笑
そして,4回観た中で,今回の舞台が一番良かったなって素直に思います。今回のこの公演を観られて,良かった。

お客さんの度肝を抜いたのはおそらく例のそいやっさだと思います(笑)。が,前回とっても微妙だったので看護婦さんどう頑張ったかなーとついつい意識を注いで見てしまったんですが,見事微妙から絶妙になってました(´∇`)☆ちゃんと見えて→認識して→反応するというプロセスが,あの間から伝わってきました!お芝居でもお笑いでも私達観客って,何かアクションがあったらそのアクション自体に面白みを感じるというよりは受け手のリアクションに面白みを感じていると思うので,看護婦さんの衝撃を私達も共有できたなーって思います。


というのがストレートな感想。


そして2010年代なので舞台の感想はさまざまな手段で世に出ておりまして,私もさまざまな手段でいろんな作品の感想にちょこちょこ目を通しました。その中で引っかかったものがあったので,ここからはその感想の中のひとつ「作品が古いということ」を受けて,考えたことを書きたいなと思います。反論というよりは,私の目線で思うことをつらつらしてみます。

この作品自体の初演は2007年頃なの…かな?いやそれはあんまり問題じゃないか。書かれた時期より中身の問題だな。看護婦という名称から看護師に統一されたのは2002年だから,この作品の中身はそれより前の時期なのだろうなーと思います。現代なら大概の病院では取り違え防止のバンドがあると思いますが,それがないからこそ取り違えてしまったんですよね。「この時代だからそうだった」「そういうことが起きたから生まれたドラマ」という取り方になるんじゃないかななんて思います。

どの時代のどの国の作品でも,ひととして生きていくにあたって根底に流れる普遍的なテーマってあると私は思っていて,『べいべー』はそういうとこに近い作品なんだろうなと思います。“(親がどういう人かを含めて)生まれる環境は選べないけど,生きていこう”…みたいな。もちろんそういうのが通用しない環境もあるけど,現代の日本では通用する。むしろ当たり前すぎるからそれを古いと感じるひともいるかもしれないけど,タイムリーなトピックスばかり追っていてもつまらなかったり苦しくなったりする気もします。
あと勝手な想像ですが,2014年に全国に行った次に何を選ぶかってなったときに,原点(みたいなの)に立ち返るってありそうな選択肢だとも思います。それがまた評価されてここに至ったんじゃないかと…。

なのでこの作品の「古さ」は,私からすると特に問題じゃないです。そういう状況下の中で彼・彼女が感じたこと考えたことを共有する作品,という感じです。


話がずれますが,先月高校の部活の先輩(芝居づくりを職業として選んだことがあるひと)と話した時に,「作る側の楽しみを知るには観る側の楽しみは捨てなきゃいけないよ」と言われたことがあるという話を聞きました。それを聞いた私は「観る側100%で生きていこう…」と思ったものです。いや中学高校の5年ちょっとは作る側だったわけですが,観る側の年月の方が圧倒的に長いので大丈夫です。(←何が。)私は素人のプロを極めたいと思います。
演劇の学問的な知識とかが全くない,素人のプロから観るとこんな感じです。

はーい。最後はなんだか小難しい話になっちゃいましたが,とにかく良いものが観られました!長野県の高校が全国の舞台でお客さんを笑わせていたのが,元長野県民として本当に嬉しかったです。現役のときは私達の学校も全国を目指していたので悔しい気持ちがなくもないですが,時代が違うしそれ以上に面白かったので,もう関係ありません。笑
松川高校の皆さん,お疲れ様でしたー!そしてありがとうございましたー!

+++

2015.8.21追記。

そうそう。先日気づいたことがあるので,書き足しておきます。
昨年11月からこの作品を観るたび,ずーっと何か違和感がありました。それが何なのかはわからずにいました。

でも,わかりました。この作品,「看護婦」と「准教授」という単語が出てくるのです。
上記で“この作品は看護婦というワードを使ってる時代の作品だと解釈した”みたいなこと書いてますが,よくよく,よーく考えると,看護婦という呼び方から看護師になったのは2002年。助教授から准教授になったのは2007年。なので看護婦と准教授という組み合わせはなんかちぐはぐしているんじゃ!
(…ということを,ある朝洗顔してるときに気づきました。笑)

まぁもちろん,今でも呼ぶ人は看護婦さんって呼ぶし,保育士じゃなくて保母さんって呼ぶし,あの子達の親がそう呼んでいたのかなとこじつけることもできるけど。でもね。という感じです。

重箱の隅をつつくようなこと書いてすみません。でも半年以上うっすーら,この違和感があったので,それが何だったのかわかった!やったーという感じなんです。笑
それだけです。すみません…。(--)

第61回全国高等学校演劇大会(滋賀大会) 香川県立丸亀高校演劇部『用務員コンドウタケシ』

(全国高等学校演劇協議会公式webサイトより)

@ひこね市文化プラザ グランドホール

作:豊嶋了子と丸高演劇部
出演:香川県立丸亀高校演劇部

私は思いっきり関東圏のニンゲンなので,西日本の高校は名前もよくわからないところだらけで,丸高という学校も今回初めて認識しました…。
がっ,この記事を書くためにちょっと調べてみたら,偏差値めちゃくちゃすごい学校じゃないですか!平成25年には創立120周年を迎えたようで,かなりの伝統校のようです。わー!すみませんでしたちゃんとインプットできました!!!

でもって!そう!学校のwebサイトなど拝見したのですが!丸演(と略すらしい)ってスゴイ…!
ラ,ラジオ出演してる…!!


今日の「ギリっとイコー!!」は、【月刊!丸高演劇部!7月号】いよいよ31日(金)に迫った全国大会。富士山、つまりは日本一をめざす彼らの、大会直前の想いをお聴きください。最後には、中桐アナにサプライズプレゼントが…!?今日の出演は、建部壮一郎くん・爲廣千香子さん・橋口万澄さんの3人!このあと、夕方5:35から!
Posted by ギリっとイコ~!! on 2015年7月25日




うまく表示されるかしら…。
月イチで出演されている(た?)ようです。ローカルなラジオ局だからこそできるんだろうなぁ。とっても素敵ー!(と書いて,そういえば私の部活も大昔にFM長野さんに出させていただいたことがあったけど,公演の宣伝のための単発だったので。連続って,やっぱすごいな…!)

さてはて作品です。
勝手なイメージで, 伝統校×偏差値高い=応援すごい という感じを私は持っているのですが,そう考えると丸高さんが応援部を舞台にしたのも納得…!
引き継ぎで「団長は男って決まってる。それが伝統。」というせりふがあって,ずいぶん違和感というか…伝統のために伝統を守ってるなんてヤな伝統だな~と思っていたんですが,それも丸高の何かに実際あるものなのかなと,今ふと思っています。

なんか,縛られてしまって,制限されてしまうようで,実態に即しているとは限らなくて,メンドクサイなって思います。「伝統」って。学校でも部活でも,時間が経ってひと(ソフト)が変わってしまったら同じ名前のハードなだけの違うソフトだよなんて私は思っているのだけど,そのハードに縛られたいソフトもあるよなぁなんてことを考えながら観ていました。応援部とかはきっと特にそうで,そうしたいのに(実際は)そうできないもどかしさとか苦しさとかそんなものが,じわじわ伝わってきました。

そうそう。お芝居を観てて,登場人物がぱちっと手を叩くとそのひとの思惑お伝えタイムになって,伝えたい相手だけに伝えられるのが斬新でした…!いろいろな人の表(実際の行動)と裏(言葉には出さないけど考えていること)を観客が把握できる手法としてこんなのがあるのかーとびっくり。
ただ私はなんでもかんでも言語化してほしいとは思わないので,若干ずるいななんて思ったり。笑

あ。今この文章を書いていて,2005年と2008年に観た二兎社の『歌わせたい男たち』を思い出しました。あれも高校の卒業式をめぐって,男の先生達が女の先生に「君が代」を歌わせようとすったもんだするお芝居なのだけど,「内言」と「外言」に触れていて,思いと言葉について考えさせられたなぁ。でもあれは焦点が女の先生に絞られていたけど,今回は複数人物の内言が絡んでいたから,ああいった構成になったのかなと思います。

ラストの応援は圧巻でした!(え,みなさんあくまでも素は演劇部ですよね!?)と思ったんですが,私の目の前にいたひとは本気で団長でした。若干この時間疲れがあったんですけど,それも吹き飛びました。笑

お芝居の中で「先輩にあこがれて応援部に入りました」みたいなせりふがあって,きゅんときました。そういう気持ちって,とっても大事だなぁって。それって中学とか高校の演劇部とかでも言えることで,私も中学は英語部に入ろうとしていたのに,カッコイイ先輩がいたから演劇部に入ったし(カッコイイはちょっと違うか…。笑),中学のときあこがれた先輩が進んだ高校に私も入りたいって思って先輩を追った。伝統とかなんとか言うけど,そういった気持ちでハードって繋がっていくんだろうなぁなんて,ちょっぴり思いました。

歴史ある丸高だからこそ作れたお芝居なんだろうなと思います。
丸亀高校のみなさん,お疲れ様でしたー!
(ちなみに丸演のみなさんはブログを運営されているようです!2011年からちゃんと途切れず続ていてすごい!ちょっと覗いてみましたが,部員のみなさんも顧問の先生もきちんと携わっているブログです。こちらからどうぞ。)

第61回全国高等学校演劇大会(滋賀大会) 福島県立いわき総合高校演劇部『ちいさなセカイ』

(全国高等学校演劇協議会公式webサイトより)

@ひこね市文化プラザ グランドホール

原案:福島県立いわき総合高校演劇部
構成・脚本:齋藤夏菜子
出演:福島県立いわき総合高校演劇部

いわき総合といえば…!
箱根駅伝で一躍有名になった柏原竜二くん(東洋大卒・現富士通)の母校!
今年1月に関東大会で静岡理工科大学星陵高校演劇部が上演した『ブルーシート』を作った学校!
というイメージがあって,特に『ブルーシート』はかなりのインパクトがあった舞台だったので,それを作った学校の演劇部ってどんなんなんだ!ととっても気になっていたのです。生で観られて本当によかったー!

パンフレットを観て,(ひとがいっぱいいる…)(キャストがいっぱいいる…)(誰が何をやるのかな…)(とりあえず観よう…)と思ってこの時間に臨みました。

観て,思ったこと。
一人ひとり,人生を抱えて,今そこにいるんだなぁということ。

いや,そりゃ,当たり前なんだけど,ひとって揃っているように見えて,同じもののように見えて,全くの別物の集合体であることを改めて感じました。様々なプロセスを経て,一人ひとり違う時間を通って,「今ここ」を共有しているんだなということを改めて感じました。同じものから様々な切り取り方をするのは,今月上旬に観たマームとジプシー『cocoon』を連想させました。

舞台の奥には生徒達のものであろうTシャツや色とりどりのフラッグがかかっていて,とても賑やかな雰囲気。文化祭感を感じさせる,カラフルで楽しい雰囲気。
だけど手前は現実というか,奥が表面的なものだとしたら,その深層が手前の人たちなんだろうななんて,ぼんやり思いました。

人数の圧ってすごいというか,恐ろしいなと思いました。あの,学級委員の子がどんなに大きな声でみんなを統率しようとしても,全然通らない。少人数の会話×いくつかの集まりによって,簡単にかき消されてしまう。みんな,何言ってるかはガヤガヤしすぎて全然聞き取れなかったのだけど,少人数には少人数の会話の流れとか話してることがあるんだろうなというのはしっかり伝わってきて,そこは“話し合い”や“エチュード”で作品を作ってきたというこの高校の強さが出ていたところなんだろうなと思います。

舞台の上だけでまとまらずに,こんなにも客席に絡んできた作品は,全国で観た10作品のうちでこれがダントツかも。西野カナの「涙色」のカラオケを満員の会場で歌うあたりとか,すっごい振り切って突き抜けてるものがあるよね。笑

そうそう。この作品の成功として,映像の存在があると思うのです!
関東大会でプロジェクターを多用している学校が南にも北にもあって,(2010年代ってこういう時代なのね~)としみじみ思っていたのですが,全国にはそういうところが全然なくて。(あれ。2010年代どこに行った?)って感じだったのですが,ここはもう本当に映像のレベルがすごくて。笑
TwitterとかLINEとか,本当にそのまんまの画面を使っていたり,撮ったプリクラとかも本当に写ってるし,あとやっぱり一番は西野カナの「涙色」のカラオケ映像!画像だけじゃなくて映像で流してるからすごかった…!“※想像です”みたいな感じですみれちゃんの“こうしたかった感”がすごーーーーーい伝わってきました。あぁ,本人としてはつらいんだけど,こちらとしては思わず笑っちゃいました。ごめんすみれちゃん…。
でも幕開き&ラストのリアルな映像は,ちょっと長いかなとも感じました。(あ。だけどラストの,交差点曲がったらいきなり侵入禁止区域のバリケードが見えたときはちょっと衝撃でした。隣り合わせで生きているんだなと,ダイレクトで伝わってきて。)

あれが高校生のリアルな世界なのかと言われるとよくわからないけど,SNSでブロックしちゃうとか生身で向き合っていないところで拒絶したり関係性をアピールされたり,ストレートだけで付き合えない苦しさがあるのはとっても伝わってきました。なんだか今の高校生は実際に面と向かってのコミュニケーションとSNS上のコミュニケーション,二重のお付き合いがあるような気がして,柔軟で繊細なコミュニケーション力が必要になってしまうのではと思いました。あー大変。
それが「ちいさな」セカイだったとわかるのはきっと後になってからの話で,そこにいるときはそのセカイが全てだと思うので,いつか3年1組のひとたちが(あぁあれはちいさなセカイだったな)と思えたら良いななんてことも思いました。

あとこんなにわちゃわちゃしているから,次第に(これちゃんと60分で終えられるの?)と心配になってきて,観劇中つい時計をチラチラ見ちゃいました。この記事を書くにあたって,演劇部なのか演劇クラブなのか…とか名称を確認するためにいわき総合高校のwebサイトを拝見したのですが,通しの時も60分切るか切らないかだったようです。観ていても(ここでchapter7が始まるの!?)という感じで,よくまとめたなと思いました…。最後は緞帳下せるかな~ということも位置的に心配だったのですが,そっちはやっぱり大変だったみたいで,最後のポジショニングってきちんと考えなければ危ないなぁとも実感。
(話外れますが,いわき総合高校のwebサイトがとても丁寧で観劇。違う。感激。←本気で変換ミスした。)

はっ!衣装について書き忘れた!ポロシャツ×スカート×レギンスという格好が素敵でした!実際の高校生活であの格好はないでしょうが,アクティブな舞台だったので安心して観られました。一応一般的にはスカートでも一分丈とか三分丈のスパッツ穿いてるとは思うんですが,それでもそれが見えると(ギャッ!!)って思っちゃうので。私。
あとポロシャツの色も良くて,グループで色の系統を揃えてるのが良かったです。それでもハブられてる子はなんだか一人だけ系統のはじっこの色だったりして,うまいなーって思いました。

思いつくまま書いてすみません…。人数のエネルギー,圧をものすごく感じた作品でした。きっとこのひとたち(がいる学校の先輩たち)なら,確かに『ブルーシート』も作れただろうなぁ。
皆さんがどんな大人になるのか,楽しみな高校だなとも思いました。
いわき総合のみなさん,お疲れ様でした。

第61回全国高等学校演劇大会(滋賀大会) 北海道札幌琴似工業高校定時制演劇部『北極星の見つけかた』

(全国高等学校演劇協議会公式webサイトより)

@ひこね市文化プラザ グランドホール

作:鷲頭環
出演:北海道札幌琴似工業高校定時制演劇部

2004年度に,長野県下伊那農業高校演劇班の「『1+2+3』の答え」という舞台を観ました。農業高校の日常を創作でまとめた舞台で,関東大会まで出場していました。当時同じ長野県民だった私にとって,それはとっても新鮮で,そして(なんかずるい…)と感じていました。今思えばずるいというより,自分達の持っているものがはっきりしていたことがうらやましかったのかもしれません。

昨年度は,関東大会で神奈川県立湘南高校(定時制)演劇部『さよなら小宮くん』を観ました。これは既成作品だけど,(私のバイアスも多少かかっているのかもしれませんが,)定時制のひとたちだから作れた空気感のようにも見えました。なんとなく人との距離感が掴みづらいひとたち。そんなふうに見えたのです。

何の迷いもなく全日制普通科をのほほんと過ごした私にとって,専門の課程だったり特定の時間での学びを選ぶひとたちは強みがあるように思います。専門の科に進んだり特定の時間で学ぶひとたちには何かしらの理由があって,それは全日制普通科とは違う世界で,それだけで“個性”。その個性をうまく生かしてお芝居を作れたら,本当に強い舞台が作れるんだろうなぁなんて思います。

だから工業高校×定時制って,それだけでかなりインパクトあるカンパニーだと思うんです。ひとくちに高校生と言っても,いろんな生き方があるんだなぁとしみじみ思いました。
そのひとたちが,工業高校が舞台のお芝居を作る!彼らにとっての日常と,私の非日常が出会えた気がして,なんだかとっても心踊るひとときでした。

この記事を書くために改めて速報に目を通したのですが,超衝撃…!当て書きのメインキャスト9人のうち7人が昨年度で卒業してしまったようで,今年度は自分達のものにできるかで努力されてきたそう!私は初見だったので,この公演から得られる情報が全てで,前のキャストさんとの比較などはできないのですが,すんなーり観られたので特に違和感などは感じなかったです。いやー…。むしろこんなに入れ替えがあったのに,よくここまでの質に持ってこられたなぁと…。定時制ですから,毎回全員がきちっと集まれたわけではないと思うと,一回にかける集中力というか…出すべきときにきちんと力が出せるカンパニーだったんだろうなと思います。すごいなぁ。

さて中身のお話に…。私,工業高校には未だかつて足を踏み入れたことがないのですが,雰囲気がたっぷり伝わってきて,とても素敵なセットでした!広すぎず狭すぎず,必要なものがちゃんと揃っているのにシンプル!舞台美術賞と知って納得です…。

特に私がぐっときたのは,「定時制」について定時制の生徒さん自らが触れていたこと。私自身も高校生のときにそういった偏見を持っていなかったと言えば嘘になるので,ここに切り込む強さというか覚悟を全国の舞台で示したことに大きな意味があるように感じました。舞台でそういうものを観たことがなかったので,本当に新鮮というかリスペクトというか…。うまく言えないけど,このひとたちすごいなと思いました。(あぁ…。“すごい”とかってなんてぺらっぺらした薄い言葉なんだろう!でも私の辞書からは換わりの言葉がすぐ出てこないよー!)

障害を持っている生徒さんも役としていらして,本人の受け止めと周りの理解とフォローのバランスって,ムズカシイなぁなんてこともちょっぴり思ったり。私は不登校とかいじめよりは,そういったものをお持ちの方にお会いすることが多いので,ついつい気になって意識を向けてしまいました。がんばりたいのにがんばれないもどかしさが夏希ちゃんから痛いくらい伝わって来て,なんだかとっても切ない気持ちに。適切にフォローされることの大切さも感じられました…。

あと何といっても山田さんが素敵でした。笑
あんなにベクトルが違うひとだから,ちょっとしたアクセントなのかと思いきや…最後はまさかのまさかの,山田さんに持っていかれるオチ…!すごい楽しそうに踊っちゃうし,緞帳キワキワまでアピールしてくるし,なんなの山田さん!ずるいぞ!笑

優秀賞,おめでとうございます。
小さな光の羅列が意味づけされていく過程を追えて,琴工定時さんだからこそ作れた世界をたっぷり味わえて,とっても素敵な1時間でした!お疲れ様でしたー。東京公演も楽しんできてください!

Thursday, July 30, 2015

第61回全国高等学校演劇大会(滋賀大会) 鳥取県立米子高校演劇部『学習図鑑 見たことのない小さな海の巨人の僕の必需品』

(全国高等学校演劇協議会公式webサイトより)

@ひこね市文化プラザ グランドホール

作:高泉淳子
出演:鳥取県立米子高校演劇部

この作品,実際観たことはなかったけれど,ずいぶん昔のものということだけは知っていました。高泉さん作のものは2008年に『Over the rainbow……?』を観たり,出演作も2007年に『ティンゲルグリム』を観たりなんかしていたので,ふわふわちょっとフシギだったりカワイかったり…なイメージがあって,これもそんな感じなのかなぁなんて思って観ました。

1時間経って思ったのは,やっぱり脚本がしっかりしているから,(安定…!!!!!!)のひとこと。昨年今年とたっくさんの高校演劇を観て思ったことは,高校演劇の出来の6割7割は脚本で決まるんじゃないかということ。いや,ドラマも映画もそう。でも特に高校演劇はここに依拠するところが大きい気がして。脚本を選んだ時点で,オーバーな言い方すると出来の半分くらいは決まってるんじゃないかな。そこが破綻してたら,いくら演出をつけたり演技をしてもねぇ…。ってなると思うのです。
そう思うと,ストーリーとしては実に安心して観ることができました。というか,ちゃんと作品の世界を楽しむことができました。

舞台装置&小道具がとっても面白かったです!どこまで元の脚本に書かれているものなのかはわからないけど,登場人物が壁を乗り越えてえいさほいさ出はけするのがキュートで,出てくるたび(あ,来たーっ!)って思ってました(笑)。カワイイ~。そしてあの壁の耐性がすごい~。どうやって作ってあるんだろうー。気になりました。ひょいっといける人もいれば,(よいせ!)って言う感じで出はけしている人もいて,それも含めてかわいらしかったです。

そして…大きな小道具?なんて言えばいいんでしょう。大きなガイコツがとってもインパクトありました!フラフラすかすかしている感じが山田くんの心のようにも見えたり。パーツが集まってどどーんってなるのが素敵ー!あれ重そう…。絡まることなくちゃんと消えていたので,おぉっと思いました。
あと私の中でもう一つ素敵な大きな小道具(?)が,ホース!すごい!長い!終わりが見えない!あれがへその緒になるとは…。面白いなぁ。でもあの構図,ちょーーーーーーど,野田秀樹の『The Diver』のラストのようで,すごい既視感でした(笑)。大きい小道具って舞台の中でものすごいインパクトありますね。面白かったです。

あ。あと舞台装置の中で,私もセンターにある血みどろ(に見えた)の壁っぽい何かが何なのかずっと気になってました。まさか最後の最後でぱかーっと開くとは!しかも蛇腹式(←確か)に!ここでタカイズミワールドが見えたような気がしました…。

山田くんがさらさら~っと生きている感じが何とも魅力的で素敵でした。飄々としているというか。離婚してお父さん側に引き取られたからこそ,いろんな女の子・女性が出てきて振り回されるというか翻弄されたり,胎内に戻ろうと試みたり…があるのかなとぼんやり思いました。ラストはいろんな環境因を乗り越えて生きていく,そんな山田くんを感じたり。
でも私結構後ろの方で観ていたので,さらーっと出すせりふが聞き取れないところもちらほらあり,ちょっと残念でした。でも張って出す声のお芝居かと聞かれると多分そうでもないので,会場との相性の問題だったんだろうなと思います。

“生き物”の扱い方がコミカルなのにどこか鋭くて,軽く観られるのになんだか気になる,そんな演出も素敵でした。そういうところを含めて不思議なタカイズミワールド…。

あとやっぱ,タカイズミ作品ってタイトルも不思議でちょっと考えちゃいますよね。海は小さいと思わなければ,自分は巨人と思わなければ,生きていけないのかな。よくわからんな。元のホンも読んでみたいなーって思いました。

タカイズミワールドがちゃんと米子色になっていて,なんとも言えないふわふわした世界を堪能できました。
米子高校のみなさん,お疲れ様でしたー。

第61回全国高等学校演劇大会(滋賀大会) 千葉県立松戸高校演劇部『CRANES』

(全国高等学校演劇協議会公式webサイトより)

@ひこね市文化プラザ グランドホール

作:黒瀬貴之
出演:千葉県立松戸高校演劇部

関東大会を観に行ったときはこの作品の前に会場を出てしまったので,初めての観劇でした。
広島の高校が舞台ということは知っていて,なんでこの作品選んだんだろう~というのは素朴な疑問だったんですが,速報を読んでなるほどーって思いました。(珠ちゃんって,元々の台本も千葉県出身の設定なのかな。)
同じく速報にも広島の方の感想で「広島県民にとって8月6日は特別な日だが,他府県の人にとっては特別ではないことに驚いた」という文を読んで,(うんうん,きっとそうだよなぁ~)って思いました。自分の常識は他人の非常識…じゃないけど,自分が思っていることは相手も思っているだろうと思っていては,私達は分かり合えないだろうなぁとぼんやり思いました。

女子のギスギスした感じがリアルで,見応えがありました。会話劇って嘘っぽい喋りに聞こえると冷めちゃうんですが,皆さんせりふの出が自然で,すーっと聞けました。ちょうど今月アタマには長野県上田東高校演劇班『どよ雨びは晴れ』を観たんですが,そこでも讃岐弁が出てきて,ほわっと優しい響きの言葉が素敵だな~と思っていたのでした。あのあたりの方言,ほっこりしていいですね。私は厳密な方言のイントネーションとかわからないので,ほわほわ~っと違和感感じることなく聞けました。

ひとつの同じことをしていても,どんな気持ちでそこにいるかは一人ひとり違うなぁ…ということをしみじみ感じたお芝居でした。表向きの目的とか目指すものはあっても,純粋にそれをやり遂げようと努力するひともいれば,それを利用してその場にいようと努力するひともいる。「だから繋がれない」ではなく,「それでも繋がれる」と思えることが大切なのかななんてふと思いました。
最後,一人ひとりの机が並んでいくところが印象的でした。

あと,まさかの合唱があってびっくり!上手下手の出入り口に生徒さんがいるなーとは思ってたんですが,(スタッフ…?)って思ってました。すみません。しかも合唱隊の制服が,松戸高校の制服なんですね。学園モノって自校の制服になることが多いかと思うんですが,「違う学校を演じるという意識を持つために」とこれまた速報に書かれていて,なるほどなーって思いました。私は自校の制服って安易で(予算とかもあるけどさ。あるけどさ。)あまり好きじゃないので,衣装を集めたところは本当にすごいなと思いました。

ちなみに私の隣の席の子は,赤いTシャツを着た女子高生。そう,来年の全国総文開催地である広島から視察に来た高校生でした。どんな気持ちでこの作品を観ていたのかな。気になりました。
松戸高校のみなさん,お疲れ様でしたー。

第61回全国高等学校演劇大会(滋賀大会) 大分県立大分豊府高校演劇部『うさみくんのお姉ちゃん』

(全国高等学校演劇協議会公式webサイトより)

@ひこね市文化プラザ グランドホール

作:中原久典
出演:大分県立大分豊府高校演劇部

パンフレットの写真から学園モノということを読み取り,
パンフレットの文章から現代の自然な話し言葉の作品っぽい…という印象を受けていました。

観てみて。

お,面白かった…!



会場の沸点が低いような気がして,(え,そんなとこでも笑うの!?)と感じるところもたまにありましたが,面白かったです。

うさみくんのお姉ちゃんが,素敵~!

サバサバしたキャラクターと,お姉ちゃんを演じていたキャストさんの声がとっても素敵でした。スカッとした気持ちになるというか。幕が降りていくときの気持ちが久々に晴れやかでした。笑

この作品,温かいひとか冷たいひとかどちらかしか出てこなくて,それがお互いを引き立てていたなぁ~と思います。

うさみくんのお姉ちゃん,確かに自分にも他人にも厳しいからコワイように見えるけど,芯はとても強くて優しいひとで,パッと見誤解されやすいのがまた魅力なんだろうなーなんて思いました。(剣道部とかにいそうだな…。笑) 冷たいひとである女子2人にも「そういうところをやめろって言ってるのよ」みたいにビシッと言っていて,その潔さがめちゃくちゃカッコイイ!今どきあんなにビシッと言えるひと,なかなかいなさそう。自分がどう思われるかを気にすることなく一貫した主張をできるのって,すごいな~なんて思いました。
あと,アンパンマンと聞いて,昨年度の関東大会の千葉県立成田国際高校演劇部『繭の中』を思い出しました。成田国際にもアンパンマンごっこをきょうだいでやったことがあるってシーンがあったと思うんですが,やっぱアンパンマンって強いんだなとしみじみ…。(子どもの心の中の支え的な存在として…。)“愛と勇気だけ”って皆誰しも一度は疑問に思ったことがあるであろう歌詞だと思うのですが,劇中に出てきたやなせさんの言葉で納得しました。「戦う時は友達を巻き込んじゃいけない」かぁ…。深い言葉ですね…。そういえば,なんとなーく,遠目から見てなんですが,うさみくんのお姉ちゃん,気持ちアンパンマンに似ている気が…。(ほめてる!)(だってそういう要素がないとアンパンマンのくだりに説得力なくなっちゃうし!)例えばドラえもんじゃだめなんだよね。その身を擲って戦うのはアンパンマンだもの。道具には頼らないのだもの。

そして溝呂木くんがとても素敵でした…。緘黙ちっくな状態になっている溝呂木くんですが,可能な限り応えようという気持ちはすごく見えて,その一生懸命さが切なくて。あと一瞬の迷いがしっかり見えるところ(うーん。って上見て考えたり。笑)とか。人って考えるときに無意識に上向いたりするけど,そういうお芝居がすごく自然でうまいなー!と思いました。
お客さんも集中していたので,小声で話す溝呂木くんのせりふは聞き取れるときもあれば難しいときもあったのだけど,聞き取れなくても私は特にストレスには感じなくて,雰囲気がしっかり伝わってきたので問題なかったです。学校でとてもつらい思いをしてしまうと元のように振る舞うのはかなり大変なことなのだと思うけど,60分で溝呂木くんの成長がしっかり見えました。やっぱりそこは真摯に向き合ったお姉ちゃんとか,松田くんや宇佐美くんの存在あってこそなんだろうなー。

吹部やバレーボール部の友達も,勘違いしたまま舞い上がる感じがとっても愉快でした。フルートの生演奏があってびっくり…。演じている上に演奏しちゃうなんて,近年の高校生はマルチな才能をお持ちなのですね…。お姉ちゃんと溝呂木くんが下手の壁らへんに来たときも,(絶対このあと壁ドンくるわー)って観客としてはやや予想できるんですが,実際壁ドンがあると「キャー!壁ドンよー!!!」って友達が騒ぐのがお約束すぎてまた面白くて。高校時代にあんな友達がいたら楽しいだろうなと思いました。笑

あと,舞台セットがなんだか面白いなぁと思いました。教室が舞台になるお芝居っていっぱいあると思うんですが,造りが私にとっては新鮮で,面白かったです。センターのちょっと上手寄りに教室の入り口があるので,誰が出ても入っても目立つ位置。でもって廊下まで引っ張った(廊下から引っ張ってくる)演技も多少見えるので,いいなーって思って観てました。私は袖の向こうまで世界が広がっているように感じられるお芝居が好きなので,廊下の向こうは何があるのかなーってワクワクしました。斜めだと視線も集めやすいだろうし…。正面からきちんと観てみたかったなぁ。「青春舞台」でまた拝見できるのを楽しみにしています。

この記事を書くまで(これって創作だっけ既成だっけ)と思ってたんですが,しっかり創作ですね…。キャストの皆さんの“個”がしっかり見えたので,顧問の先生のセンスが光りまくっていたのだろうな~とも思います。本当に自然というか,過剰ではないのに存在感がちゃんとあって,知らず知らず作品に没頭できちゃう1時間でした。いやー。充実した時間だった。

大分豊府さんが全国の頂点と知ったときはとっても納得でした。生で拝見できて満足です。
大分豊府のみなさん,お疲れ様でしたー!

第61回全国高等学校演劇大会(滋賀大会) 佐賀県立佐賀東高校演劇部『ママ』

(全国高等学校演劇協議会公式webサイトより)

@ひこね市文化プラザ グランドホール

作:いやどみ☆こ~せい・佐賀東高校演劇部
出演:佐賀県立佐賀東高校演劇部

ここもパンフレットを読んでびっくり…。2014年には,県内外合わせて新作11作,26の会場で公演を打っているというではありませんか…。ひ,ひとつき1本のペースですか…!なんてエネルギーのある学校なの…!ものっすごいパワフルな学校なんだろうなぁと思ったら,その通りの作品でした。

なんか,高校演劇でこんなにボロボロ泣いたのは初めてです。うるり,ぽろり。なら多少ありましたが,カバンの中からハンカチごそごそしちゃうような作品は,初めて。高校演劇を観始めて15年目になりますが,忘れられない作品の一つになったかも。
そうそう。カサハラさん母と子の愛みたいなテーマに弱いんですよー(; ;)
だから強制的に涙を流したいときはスティーブン・スピルバーグ監督の映画『A.I.』を観るくらい,胸を鷲掴みにされちゃうのです。それを生のお芝居でやられたから,ぴぎゃーってなっちゃいました。ぴぎゃーって。笑

コハルが,アラサーの私の心をすっごいくすぐってきました。笑
なんなのあの必死さ。すごいママのこと好きじゃないか。
コハル役の方…。男の子,ですよ…ね?まだきちんと声変わりしていなくて(←ある意味すごい),多分女の人が聞いたらものすごい切なくなる声してるなーと思います…。今しか聞けない声ですねきっと…。
そう。すごいママのこと好きで,それしか見えないから,高校3年生という設定はちょっと違和感がありました。中3,いや中1くらいでも良さそう。この年だったら,まだいい子で頑張るぞ!っていうお子さんがいると思うので…。(そして一般的には次第にママ離れしていく。はず。)

ミユキちゃんがコハルくんをぎゅっと抱きしめるところなんて,その最たるところで,気持ちを言葉にするのってとても難しいな,苦しいなと思いました。それをまるごと引き受けるミユキちゃんに,ぐっときました。大きな看護師さんだわ…。あと,ミユキちゃん役の方の声がすごく好みでした。ああいう感じの声,印象に残ってあこがれです。

コハルが小さくて幼くてついつい守ってあげたくなってしまうから,おじさんとおばさんとその娘の言葉にはかなりショーゲキでした。
弟は自分の姉が倒れても,そんな冷たい言葉しか掛けられないんかいとか,義理の妹もそんなにお義姉さんといざこざがあったのかなというようなシャットダウンっぷりで,こんなこと本当に言うんかいと心の中で思わずつっこんでしまいました。その娘さんも薬剤師になりたいとは言っていたけど,(あの子には絶対調剤されたくない!!!)と観ながら思ってしまいました。笑 きっと彼女は彼女なりの正義があって,両親に親孝行したい気持ちも強いと思うのだけど……「あなたのお母さんのせいで私は大学に行けなくなる」みたいな物言いはどうなのよ,トキコちゃん…。あと「死体見るの初めてだから気持ち悪い」って言葉はあまりにひどいでしょうよ,トキコちゃん…。素直すぎてつらいです。この子もこのままのせりふで高校生っていう設定には,少し無理があるような。中3でもそろそろアウトな発言かなぁと思いながら聞いてました。

そんな感じでせりふは(えぇぇ…)と思うところがあったのだけど,“コハルくんにはそう聞こえた”と受け取ることにしたいと思います…。

音響と照明効果が本当に「効果」として出ている作品だなーと思いました。音響は,選んで選んでこれを使っているんだろうなということが特に伝わってきました。同じ曲を何度も掛けているのだけど,ここぞというところでボーカル入りにしてくるとか。(場の盛り上げ方を知っている…!)と冷静に思う自分もいれば,それにまんまとやられてぐわーってきてる自分もいました(笑)。
照明も,魅せるところでガツンと客席に向けて照らしてくるから,本当に狙ってきてるなぁ~と実感…。それに加えてキャストさんの動きもよく考えられていて,幻想的な表現が本当に幻想的でした。

ママの書いた台本ははちゃめちゃなのにキャストのパワーで振り切ってるという感じで,でもその中にもママに触れられそうですり抜けていくコハルのもどかしさが感じられる瞬間もあって,エネルギーの緩急が激しい作品だったなーとも感じます。歌って踊って,本当にパワフルな作品でした…。その中でも,既に書いたミユキちゃんぎゅ,のところと,冒頭の眠っているママがふわぁ~って起きるところ(←心の像が動き出す感じで)と,「ママ何やってるの?」ってコハルがママのやってることを覗きこんで自分もやってみる(そしてママはすり抜けていく)…っていうあたりが特に私の胸は締め付けられてました…。あぁぁ…。

母子家庭でも何かしらの保険に入っているだろうとか,親戚がそんな言葉かけるのかとか,大人の私が観るとちょこちょこ(おや?)と思うポイントはありましたが,気持ちでここまで突き抜けてきた作品なのかなと思います。そしてその気持ちとか,役者のエネルギーに私も圧倒されてしまいました。とにかくノンバーバルで魅せる,言語を超えたところに訴えてくる,そんな作品でした。
佐賀東高校のみなさん,お疲れ様でした。

第61回全国高等学校演劇大会(滋賀大会) 大阪府立緑風冠高校演劇部『太鼓』

(全国高等学校演劇協議会公式webサイトより)

@ひこね市文化プラザ グランドホール

作:木谷茂生
出演:大阪府立緑風冠高校演劇部

やってきました全国大会。初日の一発目は『太鼓』。
たいこ,たいこ,たいこ…。事前に調べたりしていなかったのですが,朝私の近くにいた女子高生達が「あー朝イチ大阪かー。いきなり戦争かー。」と話しているのが聞こえ,ふんふんそうなのかと思っていました。

パンフレットをぱらりとめくって,うわぁすごいと思ったのが,この戯曲の発表時期。1956年。もう半世紀以上前のこと。これを!今!やろうと思った根性がすごいわ…と純粋に思いました。昨年度,地元長野県にも初演から10年以上経ってるのに中国が舞台のWWⅡ作品をやっていた学校があって(長野県屋代高校演劇班『南京の早春賦』),いやガッツがある高校だわ~と思っていたのだけど,それとはもう比較にならないくらい。当事者の,作者という名の当事者の言葉の重みを感じる,重厚な作品でした…。

そう。標準語で書かれている戯曲だから,役者から出てくる言葉も当然標準語なのだけど,なんかふと,(そういえばこの子達って大阪の子だよな。普段はバリバリの関西弁喋ったりするんだろうか)とか,そんなこと考えちゃって。私。 せりふの中でちょっと訛っちゃうとか,そんなことが全然なかったので…とにかく彼らのせりふに圧倒されてしまいました。
特に心にグサリと来たのは,速報のTHEATRE LAKE2015第4号にも書かれていたせりふ。「死んだ者は,いくら大勢寄り集まっても,無駄なのだ。私達一人一人の死が無駄だったように,……。私たちが,たとえ何億万人増えたところで,生きている人,たった一人の力にされ及ばない。なぜならば,私達は,誰一人として,訴える口を持ってはいないのだ……」
何億と一人を天秤にかけても,何億が勝てない。それは今ここにいないから。今ここにいることがどんなに強いことかを,改めて感じました。そして訴える口があるのなら,私達は歩み寄ることができる。はず。

でも,話すことができても,わかろうとすることができなければ,結局少年と<少年>のようにもなってしまうのだなという無力さというか,無能さというか…そんなものも感じました。

『太鼓』というタイトルですが,本当に太鼓の生演奏があってびっくり。日本人の心臓の音のようなものなんだろうか。戦争の音や音楽というと管楽器がつい思い浮かぶのだけど,もっと根源的なところにこの音があるような気がして,新鮮に感じました。

希望したから,兵士になることを希望したからこそ彼は少年から兵士になったけれど,肩書きが変わったからといって急に強くなるわけでもないし,戦える訳でもないし,ひとを殺せる訳でもない。見えない敵も怖くてたまらない。そんな弱さや脆さ,あどけなさが滲み出るお芝居。高校生が演じるからなんだかリアリティがありました。なんか本当に,よくこれを選んで取り組んできたなの一言に尽きます。朝から重厚なものを見せてもらいました…。

緑風冠高校のみなさん,お疲れ様でした。優秀賞,おめでとうございます。

Sunday, April 12, 2015

Eテレ「青春舞台2012」 青森県立青森中央高校演劇部『もしイタ~もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら』

作:畑澤聖悟
出演:青森県立青森中央高校演劇部

(2015.4.12 Eテレ「青春舞台2012」再放送にて鑑賞)

『もしイタ』『もしイタ』と,タイトルだけは当時から「テアトロ」なんかで知っていて,この高校も『修学旅行』で全国一になったところ…とは知っていて,でもきちんと観たことなかった青森中央。
県立の演劇部なのに,青森から飛び出して東京やら高松やら全国各地で上演している…ということも知っていたけど,観たことなかった青森中央。
半年前に観たEテレの「青春舞台2014」でも『ロボむつ』がちょこっと取り上げられていた…けど観たことなかった青森中央。
全国にいる青森中央の『もしイタ』を観たいひとたちが今回の再放送を引き寄せてくださったのですね。ありがとうございます…。

私,あまのじゃくなので,舞台でも何でも,前評判があればあるほど(そんなこと言っても…)になるんです(笑)。だってそれはあなたの評価で,私は観ていないからわからない。というのが本音で。
この作品も「高校演劇界の伝説」とか「演劇界の事件」とかそんな評があって,(はぁ…)と思っていたのです…。スミマセン…先に謝っておきます…。笑


さて作品ですが,1時間テレビで観るのが全く苦痛じゃなかったです。(ただ,いろんなところで言っていますが,私はシャウト系のお芝居は苦手。でも苦痛ではなかった。)
お芝居って基本的に生で観るものなので,カメラを通した時点でそれはお芝居じゃなくて,ただの“記録”になってしまうと思うし,魅力も半減しちゃうと思うのです。
で・も!
テレビで観ても超面白い!(゜ ゜)正直びっくりしました!!!
もちろんマイクで拾いにくい音声もあったと思うんですが,それ以上にひとの体で魅せてくれる部分が大きくて,ぐわーっと観れちゃいました。開始直後から内容的にかなりボリュームがあったので,(え,まだ10分しか経ってないの?)とか思ったくらい濃密な時間が流れていました…。

今回私がいっちばん心奪われたのが,一人一人のベースの力の高さ…!
サラ舞台で始まって,照明も変わらなければスピーカーを使った音声もない,特別な衣装もない…。全身を使って表現する舞台なんですが,「今何をしているのか」がちゃんとわかる!動きが甘くない!!これが感動モノでした…。
グラウンドを整備するときの手,ボールを手渡しするときの手,槍投げの槍を持っている手……全部,何をしている手なのかわかったんです。それが本当にすごかった。
マイムのお芝居ってついつい甘くなってしまったり,稽古を重ねているうちにぼんやりした動きになってしまいがちになっちゃうと思うんですが…たとえば1年のマネージャーちゃんが重いカゴ持って上手から下手にはけていくところとか。体重の掛け方とか,観ていて感動しちゃいました。そういうリアルさが,特定のひとだけでなくて皆さん持っているものだったので,アンサンブルの完成度とか,かなり高かったです。普段ストレッチとかダンスとかやってるだけじゃ身に着かない力だと思うので,青森中央の皆さんの日々の稽古の質が見えた気がします。

ある意味オーバーな演技なのだけど,過剰に感じなかったり…そう,やっていることはオーバーなはずなのに自然に見えちゃうこの力って何なんだろう?すごい不思議でした。「こういう世界観です!」って,自分達の世界に巻き込む力が半端じゃないですね…。イタコ役の方のイタコと先生の演じ分けとか,カズシくん役の方のカズシくんとサワムラとか,幅が広いな~と思って観ていました…。
そうそう。カズシくん役の方がとても素敵だった!あの常に肩に緊張感持ってるあたりとか,今の彼の生き方(自分だけ野球やっていいのかとか苦悩する日々)がよく出ていたなぁと思います。この先少しずつ,緩くなって生きられたらいいなぁ。

どうやら「どこでもできるお芝居を目指して」この作品を作られたそうなのだけど,今回の会場では皆さん上履き(っぽいスニーカー)を履かれていて,そこもなんとなく好感度上がりました…。好感度っていうか,たまに床から出るキュッキュッて音が,高校らしいなぁって。上履きも,学校文化というか…懐かしい感じになりますね…(´∀`)大人になった私は,職場でクロックスを愛用しているのでスニーカー特有のキュッキュッとはちょっと無縁です…。←

あと素敵ポイントと言えば,時計…☆なにあれ!超愉快なんですが!きっと演じていらっしゃる方も楽しくカチコチしていたんでしょうな…。あの分針が動くときの効果音とか,たまらんです。演劇ならではの表現ですね。

あんなに大人数でわちゃわちゃしているから,なんとなーく誰か欠けたり交代してもわからないんじゃ…とも一瞬思ったんですが,きっとあのメンバーだから作り上げられて,誰か一人でも欠けたりしたらあのパフォーマンスって違ってくるんだろうな~と,やっぱり思いました。計算づくなのにそれが見えないのってかなりやりこまなきゃだと思うので…何も言えないというか,しっかり完成形を見せられたなーというのが正直なところです。全国大会って年度をまたぐから,キャストの入れ替えが少なからずあると思うんですが,今いるキャストの一番良いエッセンスの配合で,ベストが出せているのがすごいです。すごいすごいしか言ってない気もしますが,でもそれしか言えないです。笑


きっと外側の私達から見たら,「あれは青森中央だからできたんだろう」とついつい思ってしまうかもしれないけど,それだとただのうらやましがりで終わってしまうと思うので,それはもったいないことだなって思います。
昨年の久留米附設の『女子高生』の感想でも書きましたが,自分達の強みは何かを掴んだり,自分達の規模でできることをすり合わせたりして,カンパニーの現状に合う作品作りをするのも戦略なのかなと最近は思います。「すごーい!」止まりじゃなく,そこから自分達は何ができるのか,したいことをするために何が必要なのか考えることで,次に繋がっていくんじゃないかなと思いました。

つまり何が言いたいかと言うと,とっても刺激的な舞台でした。『もしイタ』。お芝居作る側と縁がなくなってしまったひとに,こういうことを書かせてしまうくらいだから。笑

2012年度の青森中央の皆さん,お疲れ様でした。良作は色褪せないことがよくわかりました。
再放送のリクエストをしてくださった方々&Eテレの編集長さんも,ありがとうございました。素敵な番組でした!

Saturday, September 6, 2014

Eテレ「青春舞台2014」 久留米大学附設高校演劇部『女子高生』

作:附設高校演劇部・岡崎賢一郎
出演:久留米大学附設高校演劇部

(2014.9.6 Eテレ「青春舞台2014」にて鑑賞)

純粋に,面白かった!

昨年もたまたまテレビで全国の頂点に立った高校の作品を観たのですが,私シャウト系がだめなのと,(さすがトップは深いテーマ…)と思っていたのです。
がっ,この軽快な感じ!それでいて深みがあるこの感じ!
60分飽きずに楽しめました。
男女入れ替えると,こんなに奥深くなるんですね。

本当に個人的な感想を述べると,舞台にJ-POP持ってくるのもそんなに好きじゃないんです,私。
なぜなら浮くから。合っているのは劇団離風霊船の『赤い鳥逃げた…』や,演劇集団声を出すと気持ちいいの会の『女郎蜘蛛』くらいだと思っていました。
でも!今回の『女子高生』もアイドルの曲(しかも「乙女」や「高校生」を歌ってるような曲)をうまーい具合に配置してるなと思いました。SKE48の「パレオはエメラルド」のイントロのキラキラ感とか…良かったです…。舞台っていつでも時代を反映しているものだとも思うんですが,2014年だから入れ込めたのかもしれないなーと思いつつ観てました。あと2年後も,こんなにアイドルグループが乱立しているとは思えないし…。

観ていると,女子高生の中の関係がわちゃわちゃしてて上下関係がパッと見てわかりにくいんですが,話の進行的にはあんまり気になりませんでした。女子高生のパワーですかね…。若干オーバーにも見える動きなのだけど,でも「女子」のオーバーアクションと言う感じで,ちゃんと「女子」に見えてるからすごいなーと率直に思いました。研究,されたのでしょうね…。

『女子高生』の前に,全国大会に出場した学校の密着も観たのですが,全国に行く学校って創作が多いんですね。やっぱり。創作が多いというよりも,創作だからより評価されるのかもしれない。
そしてさらに共通項があるとすれば,地域性や学校の特色を作品に練りこんでる。
青森中央だったら核処理の問題とか。久留米だったら共学化とか。全国大会だからそう見えるのかもしれないけど,それが内輪の話ではなくてきちんと地域性や特色に見えてくるから,すごいなーと思います。

さて,中身の話ですが,
ロミジュリを通してジェンダーについて考えていくあたりが面白いと感じました。
古典はカタいイメージがあるし…(そして西洋の話だし…),私たちにはかけ離れた部分も多いけれど,現代の日本(の高校)に置き換えているというワンクッションを挟むことで,私の消化はよかったです。
久留米の密着でだいたいどういう話かは知ってしまった訳ですが,「わかり合おうとする努力が大事」と黒木華がナレーションで言っていて。劇中でもロミジュリのところで「ちゃんと言わなきゃわかり合えないじゃん」みたいなせりふがあって,ここが核なんだろうなと思いました。

ただ,見せる場転だったので,もう少しキレイだと良いなぁと思いました。しいて言うなら。
なんだろう…。動きかな?それともサスかな?やっぱり光の色?白いと目立つし…。(でもそこの部分を目立たせたいという感じには見えなかった…。)青いのを吊るして,それがつくと良いのかな…。うーん…。

あ,話が前後しちゃいますが,創作するにあたって,そのカンパニーの実情を踏まえて,無理のない構成にするのもテクニックのうちに入るのかなと感じました。この高校に限らず。
そういう観点から見ても,久留米さんは自分達の強みを知っているのだと思いました。作品,カンパニーの力,総合的に評価されたのだと,舞台を通して感じました。

生で観たら,もっと素敵だったんだろうなぁ。
面白い作品を観ることができました。
久留米大学附設高校の皆さん,ありがとうございました。そして,お疲れ様でした。
みなさんがどんな大人になるのか,ちょっと楽しみです。