@塩尻市レザンホール
作:如月ジロー
出演:長野県田川高校演劇部
高校演劇の発表の舞台といえば主に文化祭と地区大会。あとはカンパニー側が積極的に外に出ていかないと一般のひとが観られる機会ってあまり多くないと思うんですが,田川や志学館は毎年頑張ってこの枠に出ていて,大会みたいに必要以上に肩肘張らずに,でもホールで公演できるっていいなぁ~と観ている側としては思っています。
あとお隣の松本と比べたら学校の数も演劇やってるカンパニーも少ないとは思うんですが,塩尻市がこの企画をやっていることに意義があると思っています!笑
今回の田川はなんとお芝居仲間(?)の方から脚本をプレゼントされたみたいです。すごーい。大人と高校の演劇部って,ただ活動してたら接点持つのってなかなか難しいと思うので,このコラボにはびっくりしました。現代の田川の皆さんは「TDC」って称してるみたいで(部のTシャツ?パーカーとか?がそういう表記),今回のタイトルはそのまんま!という感じなので,作者の方の愛がこもっているタイトルだなーと思います。
弱小の演劇同好会が地区大会優勝を目指すという,ストーリーとしてはとってもとってもベタな内容なのですが,思い返すと田川が高校生をやっているお芝居って全ッ然観たことがなくて,それこそ私の中では2002年くらいまで遡るんじゃという感じで,かなり新鮮でした。
あと副顧問の先生が顧問役で出てきたり,田川の一個前のカンパニーが一瞬出演するあたりなんかは,自主公演というか大会じゃない公演ならではという感じで,観ていて楽しかったです。(確か大会も顧問の先生出ていいと思うんですけど,あんなにがっつり出るのか!って。笑)
でも観ていて惜しいなーと思ったり,うーんと感じるところもあったので,そこの話を。
惜しいなーと思ったのは舞台の使い方。場面が屋上だったり部室だったりどこかの道で,そのたび結構しっかり暗転して場面転換してたんですが,あそこはもうちょっとすっきりコンパクトにできたように思います。特に道のところ。勧誘のチラシを配ったり不良に絡まれるところは紗幕?かな?あれを下してその手前をアクティングエリアにしていたと思うんですが,あそこまでしなくてもサイドからSSで照らして道っぽくしてもいいんじゃないかなーと個人的には思いました。後ろの転換が見えてしまうといえば見えてしまうけど,光の外だから許容範囲では…とか。でも,紗幕とか舞台のものを使おうという意欲が感じられたのは(おぉっ!)と思いました。
うーんと感じたのは,脚本のこと。なんか,部員達がわちゃわちゃ話していて都合が悪くなるとその場を離れることしか対処スキルがない人達になっていたように見えたのは私だけですか!?同じ人が繰り返す行動ならともかく,結構みんなそれやってたので,途中から(またか!このひともか!)って思うようになってきました。笑
状況がマズくなっても,ここにいたくないわーって思っても,普段の日常ってそんなにホイホイ退室しないと思うので,踏みとどまる勇気というか,もう少し違う対処も見えたらよかったなと思います。(逃げることしか対処できない集団の話だとしたら,それまでなのだけど…。←多分違いますよね…。)
あと,ゴンザレスは何だったんだという単純な疑問も残りました。笑
あっ,でもでも,ここ最近(昨年とか今年とか)は演出がいるのかなと感じるような仕上がりの舞台が多かった田川なのですが,今回のパンフレットにはついに演出さんのクレジットがあったので安心しましたー。やっぱり客観的に引いて観たり,全体の舵の方針を決めるひとがいないとお芝居って進まないと思うので。演出専門でなくてももちろん良いと思うので,毎回ぜひ演出さんをつけてほしいなぁと思います。
そしてそして私服校なのに女子のスカートがちゃんと揃っていたのも頑張ったとこなんだろうなと思いました。衣装にこだわる部分は『もっと泣いてよフラッパー』あたりで感じられたので,今回も続いていて良かったです。
夏に拝見した方々がこの舞台ではいらっしゃらないのを改めて確認して,世代交代ってこういうことか~としみじみ思いました。(今回の発見だと,ストレートロングでSNSのいやがらせを受けてる女の子が素敵でした~。ああいう気だるそうに見える子がちゃんと部活やりたいって,個人的に素敵。笑)
またきっと春に向けて新しい体制になっていくのだろうと思いますが,遠くから見守っていけたらと思います。
田川のみなさん,お疲れさまでした。ありがとうございましたー。
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