Sunday, November 29, 2015

第32回長野県高校演劇合同発表会 長野県松川高校演劇部『ホルのいた森』

(長野県高校演劇合同発表会パンフレットより)

@東御市文化会館サンテラスホール

作:舟山雄也
出演:長野県松川高校演劇部

この公演の4ヵ月前には全国大会に出場していた松川。全国に出場した場合,その年度の地区大会は自動的にパスできるルールが長野県にはあるようなので,今回の新しい演目に関する情報は昨年同様ほぼなく,県大会まで謎のベールに包まれていたのでした…。
(というかあれか。9月はオープン参加?で地区大会でも『べいべー』やってるみたいなので,4ヵ月で作ったというより2ヵ月でここまで持ってきた感じなのかな。)

全体を通して…。やっぱり,全国大会に2年連続行くって…言葉にすれば簡単だけど,私じゃ想像が及ばないくらい大変なことなんだろうなぁと,お芝居が終わって真っ先に思いました。
そして今年に関して言えば,3年生の方々(と,その3年生を育てた昨年度卒業された方々)が部全体を支えていたんだろうなぁと改めて思いました。松川の学校の規模とかわかんないですけど,いや知ったところでアレですけど,よくあのメンバーが同じ学校の部活に揃ったなぁとしみじみ。大会を勝ち抜くのって運と実力の両方が揃わないとダメだと思っているんですが,2015年の関東大会はスタッフもキャストも最強のメンバーだったんだろうなー…と。

その最強の人たちを見て育った1,2年生の皆さんが自分達の力で頑張ってる。

今回は,そんな過程を追えたお芝居だったように思います。
特に,2015年度版『べいべー』のキャストさんだった2年生お二人が舞台を引っ張っているのがよく伝わってきました。この二人が出てくると,安心して観られるというか。

先輩を見て育った,それ食べてその栄養摂取したらそうなる,と特に感じたのは,下手の大木と衣装。写真でしか見たことないですが,2014年度の全国大会作品では舞台セットすごーいという印象がありました。今回もあんなどでかい木を作って持ってきちゃうとは!どうなってるんだろあれ!ってすごい気になりました。高校演劇の木ってどうしても規模が小さくてちゃちく見えちゃうと思うんですが,さすが松川という感じでした…。吊りものの布は針葉樹の連なりのようにも見えたり。
衣装も,ホルの白と男の赤が印象的でした。そうそう。ホルってどんな衣装でも持ってこられると思うんですが,あえての白ワンピ…。なんかキョーイクテキカンテンとか考えるとどこまで言っていいかわからんのですが,ホル役の方はスタイル良くてとっても素敵でした…。白ワンピが映えますね…。
そう。そこ2人が現実的というか,ある意味その衣装でそこらへん歩いても全然問題ないです!みたいな恰好だったのに対して緑女さん達はしっかりファンタジーファンタジーしてたので,ギャップが激しくてちょっとびっくりしちゃいました。あと着れるものというよりは着たいものだったのかなという印象で,頑張って作った感はものすごく伝わってきたのですが,再考の余地ありなのかなという感じがしました。(スカートの中が見えないように穿くものも衣装の色と揃えられたらもっといいかも。)

あと講師の先生も仰っていましたが,もう少し光で森を見たかったなーという気持ちがあります。実写とかじゃなくてアニメーションになっちゃいますが,今年DVDで観た新海誠監督の映画『言の葉の庭』がすごく印象的だったので,このお芝居を観ながらこの作品のことを思い出しました。DVDなので作品にまつわるインタビュー映像も入ってて,「顔に緑色を塗るなんて抵抗があったけどやってみたら良かった」みたいなことを新海さんが話してて。確かにそこは本編見た時に私もびっくりしたんですよね。でもキラキラして眩しい世界を表現するには,それくらいあってもいいのかなって。……なんかこのお芝居と話がずれちゃいましたが,光がほしかったという話です。←無理矢理まとめる人。笑
多分だけどホルがいる森のゾーンって鬱蒼としているより,なんだろう…『もののけ姫』で言うところの,シシ神様がいるあたりだと思うんですよね。…うーん。伝わるのだろうか…。

終始しっとりしているお芝居だったので,ごめんなさい。途中目をつぶっちゃったところもありました。すみません…。ホル役の方も男役の方もしっかりせりふは出ているんですけど,なんだろうな…。感情のやりとりというか,心の動きというか,そういうものがもう少し見えたらよかったなーというのが率直な感想です。(私はそういうものが見たい人なので。)例えばホルが男の顔見て「きれいな顔…(みたいな感じの言葉)」って言ってるところとかが何度かあったと思うんですが,なんかもっとときめいてほしいなとか。笑

思ったことをぽぽぽーんと書き連ねちゃいましたが,そんな感じです。
県大会前に演目を知って,どんな話なんだろうーってググってみたんですが,もとは北海道の学校がやっていた作品なの…かな?でもってホルはアイヌ語でオオカミって意味なの…ですか?検索かけても情報がほとんどなかったので,謎が残ります。笑
昨年の『べいべー』もそうですが,作品の掘り当て方(という表現をあえてしてみる)が松川は面白くて,私は好きです。高校演劇って時代や地域のブームとか定番作品とかあると思うんですが,私もどちらかというとマイナーなものが好きなニンゲンなので,どう引っ張ってきているんだろう~って気になります。笑

今更ですが改めて,全国大会お疲れ様でした。そこから先の第一歩を拝見できた気がします。これからどういう道をこの学校が開拓していくかが楽しみです。
松川の皆さん,お疲れ様でしたー。

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