原作:なかにし礼『赤い月』(新潮社刊)
監督:降旗康男
脚本:井上由美子/降旗康男
音楽:朝川朋之
◇CAST
常盤貴子/伊勢谷友介/香川照之/布袋寅泰/反田孝幸/斉藤千晃/佐藤勇輝/大杉漣/山本太郎/エレーナ・ザハロヴァ/ヴァレリー・ドルジェンコフ/蟹江一平/山中聡/糠信義弘/瀧本武 他
(2014.12.30 テレビで鑑賞)
公開された当時からずーーーーーーっと観たいと思っていた作品。
あっという間に10年経ってしまったけど,今観られてよかった。常盤貴子が好きなので観たかったのですが,当時見たらこの豪華メンバーのすごさには気づけなかったことでしょう。伊勢谷友介とか,2010年代に入ってから知ったので…。
なかにし礼の自叙伝的な作品らしいです。これ。
きっと常盤貴子演ずる波子の次男・公平がなかにしさんなんだろうと思います。公平の,あの緘黙っぷりがいいよね!表出は少ないけれど,目で物語っている!!啓介の禁断症状と波子が闘っているところとか,波子と啓介のセックスシーンを見てしまったところとか(というかここ,あの年齢の子にとって外傷的すぎる。←もちろん作中のキャラクターの話),表情がなんともいえないなぁ。いいなぁ。今どんな子になってるんだろうなぁ。
あと,今よりちょっぴり若い香川照之が見られてよかったなぁ♡笑
「覚悟」とか「正義」とか,魂の見せ方がいかにも当時の人で,見ていて(ギヤーーーッッ)てなりました。小指自分で切り落としちゃうとことか。しかもそれを自社製品(お酒)に漬けちゃうとことかっ!ギャワワワワ心臓に悪すぎるよォォォ。しかも「自分よりひとつ年下の者が働いて自分が働かないとは」っていうあたりも,良くも悪くも日本人らしい。自分の小ささを自覚しているけど,大きなひとでいたい…というようなお芝居が本当に合う役者さんだなーとしみじみ思います。
でもって,エレナ役のエレーナさん(こ,これはたまたまなの!?笑)が美しくてうっとり…(´▽`人)♡♡♡
欧州のひとってどうしてこんなにきれいなんだろう~。
高校生の時に観た『ヒトラー 最期の14日間』に出ていたアレクサンドラ・マリア・ララとかも同じように思いました…。その作品くらいしか日本では知られていないけど,インパクトのある女優さん。…みたいな。
そして!肝心の常盤貴子!
はぁぁ…。(ためいき)
ああいう,我が強い女,合いますね…。
全部通して観てみると,なんだこの女と思ってしまうのですが,その時々で出てくる言葉は(うむ確かに)と思ったり。でもそこに騙されてしまうんだろうな男たちは…とも思ったり。
「公平,子どもだからって母さんに頼ってばかりではだめよ。自分で逃げるの。」とか。はっとしました。
でも「あなたたちの命と母さんの命はつながっているの。ひとつの命なのよ。私が死んだらお前たちも死んでしまう。だから私は生きなければいけない。そして生きるためには愛し合う人が必要なのよ。」は,おいおいまじかと思ったり。さらにそこで母親に対して嫌悪感を抱いていた娘が波子に歩み寄ったりしていて,まじかーと思ったり。きっと,言葉で鼓舞するのがうまい人なんだろうな。
あと,この人を見ていて,『花子とアン』の蓮子様を思い出しました。長男が出征していくときに,「万歳なんてできない」って言ったり。「生きたい」と話していたり。時代に惑わされず,自分で判断して生きていたひとなんだろうと思いました。だから最後のせりふも,「ありがとう満州」だったんだろうな。
2003年の作品なのに画がちょっと昔っぽかったり,スタッフロールの氏名がみなさんの手書きだったりして,そういうところに温かみを感じました。
生きるためには愛し合う人が必要…という言葉がぐぐっとみぞおちを突いてきた,鋭さのある作品でもありました…。
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