Saturday, December 20, 2014

***わたしの2014ねん~舞台編~***

高校演劇編から始まった今年の「わたしの20○○ねん」シリーズ。今回は舞台編です。
このシリーズは,ジャンルごとに一年間を振り返り,来年の充実につなげるものです。

今年,高校演劇を除くと,お芝居は14本観ました。社会人になり観られる本数が本当に減ってしまって切ない限りです。
それでも心揺さぶられる舞台に出会えたので満足!

ではmyベスト5をご紹介~。(作品のタイトルをクリックすると感想の本文に飛べる記事もあったりなかったり。)

5Spinnin Ronin Japan『SKY RUNNER』 (Bキャスト)

演出:加世田剛
脚本:亀山らく
@d-倉庫/10月

出演者の一人,横山真希ちゃんが中学時代の部活の同期なので,彼女が出ている舞台はできるだけ足を運ぶようにしています。
「知り合いが出ている」から観に行ったところが大きいのだけど,それ抜きにしても観てよかった!目の前のひとたちが本当にキラキラしていて,疾走感が半端じゃなかった。あと群舞が超かっこよかった。

身体表現の美しさを改めて実感できたな…。踊れるって素敵だな…。


4tamagoPLIN 『さいあい~シェイクスピア・レシピ~』


作・演出・振付:スズキ拓朗
@シアタートラム/2月

「老若男女楽しめる作品」ってチラシに載ってたんですが,その通りでした。
誰でも楽しめる作品=良い作品ではもちろんないけど,でもこれはきっと,観るひとの年齢によって響く部分が違うんだろうな。

“愛”を知るために純粋に生きていく野菜たちがとてもキュートで,愛らしくて,どこかうらやましくて,きゅうーっと締め付けられるような気持ちになりました。

あと,舞台とともに書き進められていく書がよかったー。既に演劇というパフォーマンスが,お客さんと一緒に完成を目指していくものなのに,ダブルで進んでいく「リアルタイム」があって面白かったです。
なんか,生きていくって踊っていることなんだろうなーとふと思った作品でもあります。


3ミナモザ『みえない雲』













原作:グードルン・パウゼヴァング
訳:高田ゆみ子(小学館文庫)
上演台本・演出:瀬戸山美咲
@シアタートラム/12月

私が中学~高校時代に最もよく観ていたプロの劇団は燐光群。
めちゃくちゃ社会派で,めちゃくちゃ難解でした。でもやっぱり,私こういう作品が好きなんだなと再認できました。初めてミナモザを観た『エモーショナルレイバー』も,すごく印象的だったから。

3.11以降,「それ」を彷彿とさせるようなものや,ダイレクトに描いているものもあったけど,私はなんだかそれが…嫌,というか,(あぁまたですか…)という感じがどこかしていたんです。

この作品は今まで私が観てきたものの何が違ったかというと,ちゃんと「過程」を描いているところかなと思います。動揺だったり,混乱だったり,恐怖だったり,怒りだったり,悲しみだったり。(そっかぁ,3.11後を扱ったものばっか観てたから,なんだかなぁだったんだー)ってことに気づけました。
私はやっぱり心の動きっぷりが観たいので,いくらお芝居の中で回想を語っていても,それはもうライブではないなと。あくまで回想のライブだなと。そう思うので。ちゃんと,ライブで心が動いているところを観られて,感じられて,よかった。それに尽きます。


2現代能楽集Ⅶ 『花子について』 能「葵上」・狂言「花子」・三島由紀夫作「近代能楽集『班女』」より


作・演出:倉持裕
@シアタートラム/2月

「古典作品が今でも上演されているのは,現代にも通じるものがあるから」なんてもう何度も聞いたこと。作品の神髄は,もうみんな知ってる物。
だったらどう魅せるか,どうブラッシュアップしていくかって,古典に取り組むときの永遠の課題になるのかなーなんて,ぼんやり思います。

この作品を観て,(え,これが能や狂言なの?三島由紀夫作なの??)と疑ってしまいました。
なぜならめっちゃ面白かった!

片桐はいりさんの舞台は2度目なのですが,唯一無二の存在感…。スゴイの一言です…。
あと,元Noismの宮河愛一郎さんが出ていたのも素敵ポイント♡いやー,よかった…。お面つけてたからお顔は拝見できなかったけど,おぞましさを存分に感じられました。

“現代能楽集”って企画自体は,やっぱり公共劇場ならではなんだろうな。
改めて,公共の強みを感じた作品でもありました。


1葛河思潮社『背信』










作:ハロルド・ピンター
翻訳:貴志哲雄
演出:長塚圭史
@東京芸術劇場/9月

初めて観たピンター作品。
9月に観た時点で,今年のベスト3だなと思っていましたが,そのままぶっちぎりました。笑

人を人たらしめているものが記憶だとしたら,それに支えられて生きているのだとしたら,私たちはそれを美化したり,良いように解釈して当然なんだろうなと思います。
だから誰かが記憶している(ことになっている)私との思い出や,私が記憶している(ことになっている)あなたとの思い出が真実とは違うものになったとしても,それが生きていることなのだと思えるようになりました。

それから,お芝居の醍醐味をたーっぷり味わえました。
舞台と客席で,空間を共有すること。
これに勝る魅力なんて,ないと思うのです。
ほんとうに,観て良かった。今年のベストに留まらず,私の人生に影響を与えた作品です。


+++


あぁ,こう振り返ると,今年も充実した1年になれたなと思います(笑)。

来年はついに!NODA・MAPの『エッグ』再演!!
未来を連れてきた作品になってしまったよ,『エッグ』…。
オリジナルキャストでの再演,今から胸がときめいております…。
あとは産休明けの松たか子のお芝居のチケットを全力で確保したいと思います。

観劇予定に生かされている,私です…。

来年も素敵なお芝居に出会えますように。

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