社会人になってホイホイお芝居に出かけることができなくなった分,映画を観ることが増えました。
職場の同僚の方から「映画は映画館で観るもの!」と教わってから,映画館で観て初めて映画になるんだなーということも,なんとなくわかってきたような気がします。舞台を劇場で観るのと一緒。
そしたらば,私の胸を打ったベスト3も,全部映画館で観た作品になりました。
ではでは,myベスト3+αをご紹介!
③『STAND BY ME ドラえもん』
脚本:山崎貴
原作:藤子・F・不二雄
ドラえもんって子どものための作品だけど,この作品は大人のための作品のように感じました。
「のび太の結婚前夜」や「帰ってきたドラえもん」なんて王道すぎる作品に,リアルになった表現方法(CG)!もうワクワク感が半端じゃなかったです。
そう。ワクワクしたのです。
これから生きる日本なんて,少子高齢化は進むし消費税は上がるし大きな地震はやってくるし,何に期待して何を楽しみに生きれば良いのかわからない。お先真っ暗!って本当に思うのに,ドラえもんの未来は,ワクワクさせてくれる。それは街の外観だったり,乗り物のような技術だったり。それを見て「うわぁ~」ってなってるのび太くんの表情がまた素敵で,その世界で生きている大人しずかちゃんの生活が素敵で,胸がときめきました。そんなふうに生きていけたら,なんていいんだろう。
見ていて魅力的だったのは,やっぱり表情!「嬉しい」とか「くやしい」とか,ひとつひとつの表情に血が通っていて,キュンとしました。アニメーションなのに,細かい表現に大人のこだわりを感じられて,本当に素敵でした。
大切なひとがいるからがんばれる,大切なひとの成長が日々のしあわせ。
そんなことを感じられる,愛おしい作品でした。
②『永遠の0』
脚本:山崎貴/林民夫
監督・脚本・VFX:山崎貴
これこそ本当に映画館で観る作品!スケールの大きさに圧倒されました。
あと岡田くんの演技ってまともに観たことなかったけど,良かった…。
ラストのあの表情がとても良かった。①の『私の男』もそうだけど,そのワンシーンのためにすべてがあるような気がします。
なんか,最近,時代のうねりに巻かれずに自己を主張するひとを(作品の中で)よく見る気がします。
『花子とアン』の蓮子様だったり,『赤い月』の波子だったり。この宮部もそう。現代で生きる私達だったらとても自然なことなのだけど,その当時にそうすることが,どれだけ勇気と覚悟のいることだったのだろうと思うと,本当に強いひとなのだろうなぁと思います。
「愛することが生きること」だとしたら,私もまだまだ死ねない…。
今年の3月には向井くん主演でテレ東がこのドラマ版を放送するらしいので,それも楽しみです。
①『私の男』
脚本:宇治田隆史
濃密な蜂蜜を一気飲みしたら見えるような世界観。
『永遠の0』以上に,最後のあの表情のためにあった129分。何があっても,誰と生きていても,深いところでつながっているんだろうなと思いました。
二階堂ふみの化けっぷりが,スゴイ!中学生から大人になるまで演じ切っていますが,自他の未分化のドロドロしたところも,自立して凛としたところも,きちんと見えて。力のある女優さんなんだなと実感しました。
あと,北海道の曇天or雪!という天候も,ふたりの閉鎖的で濃厚な世界観を引き立てていて素敵でした。うまくいえないけど,日本映画っぽい質感の画なのも,ちょっと昔っぽい感じがあってきれいでした。
浅野忠信の不器用さ,三浦貴大の健康っぷり,山田望叶ちゃんと二階堂ふみの妖艶さ…。とても良いキャスティングでした。酔いしれるって,こういう映画のことなのかなと思いました。
☆番外編『秒速5センチメートル』
脚本:新海誠
2007年に劇場で観て,そして今年DVDで観返しました。
初めて観た時は鈍行で栃木に行ったこともなければ,豪徳寺や三軒茶屋にも行ったことがなかったのだけど,今は全て果たしました。
主人公のような経験はないけれど,切なくてくるしい思いを抱えて大人になっていくあたりは,少しは似ているかもしれない。
初めてこの作品を観た時は,第二話と三話の間あたりに私がいたような気がするけど,今はもう三話のど真ん中だなーって感じました。観る年齢によって,感じる気持ちや思い返すあれこれが全然違うんだろうなーとも思います。
甘くて切ない,くるしい気持ちをそっとしておいてくれる。それでもそれぞれのスピードで世界がめぐっていくことを教えてくれる。そんな作品です。
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これでようやく,2014年を終えられる気がします…。笑
一時期真木よう子作品を制覇しようとがんばってましたが,途中で断念しちゃいました。
2015年はこれを目標のひとつとして,私の心をピピっと打つ作品に出会えたらな~と思います。
おわりー。