(日本大学芸術学部演劇学科公式サイトより)
@日本大学芸術学部江古田校舎北棟中ホール
原作:イタロ・カルヴィーノ
構成・歌詞・演出:加藤直
出演:日本大学芸術学部演劇学科
江古田に来るのは2011年に観た『ヨサブロゥ』以来!4年ぶり!
あの時はなぜかキャンパスの表ではなく裏に来てしまって,優しい警備員さんに「しょーがないですねどうぞー」と通してもらって中へ入ったのでした…。
今回は同じ過ちは繰り返すまいと思い,きちっと地図で確認していざ江古田駅の北口へ!そして階段を下りて右!ちょっと歩く!もう着いたー!!近かったーーー!!!4年前の私のアレは何だったの!もしかしたら新江古田駅から行ったのかな!まぁ着けたからいいや!
この記事を書くために日芸のwebサイトを確認してみたんですが,2006年にも加藤さんの演出でこの作品やられていたんですね(・ω・)でも当時は副題で“ボクたちの物語へ”みたいなものがついていて,多分06年版とまるまるおんなじという訳ではないのだろうなと思います。
お芝居をべんきょうするには基本に入るお話なんでしょうか?私は今回初めて知った作品なので,とっても新鮮でした。
加藤さんといえば松本でよくお芝居を観ていた私としては馴染み深くて,まつもと市民芸術館の専属カンパニーであるTCアルプ『月と泥棒と太陽と』などの演出をされている方。串田さんの系列(と書いて良いのだろうか)なこともあってか,『K.テンペスト』に似た感じが特にしました!
なんだろうな。語りが多いからかな。
主におはなしを進めるためのせりふと登場人物として発せられるせりふのふたつで物語が進んでいくのですが,前者がやや多かった印象が強くてなかなか感情移入できないというか…一歩引いて舞台を観てしまうというか…そんな感じが全体的にありました。後半に来てやっと慣れました。笑
複数人で一つのせりふを出すのも,『K.テンペスト』ちっくだなと思った要因かも。あ,あと個人的に『テンペスト』観てたときに若干気分が悪くなったので,それで余計今回入り込めるまでに時間がかかったのかも!そうに違いない!(なんかすみません…。)
でも,きちっとトレーニングを受けてきたひとたちの声がとても良くて,(おぉっ!)と思いました!なかなか感情移入というか作品に没頭できなくても,役者さんたちの技量でカバーされた感じがします!(ほめてます!!!)
ボク役の方の声が特に素敵だったなぁ~。アニメ声というかとても特徴のあるお声なのだけど,パーンと通る声で,きちんと強くも出せていて,聴いていて心地よかったです。ああいう少年っぽい役が合う方なんだろうな~と思いました。あともうひとりのパメーラ役の方も声や雰囲気が素敵だった…。
舞台セットも,幕の使い方も,演技も,とっても丁寧に作って&使用しているのが印象的でした。スタンダード(って何をもってスタンダードなんだって話ですが)をしっかり追っている感じ!実直に舞台に向かっているなぁということがよーく伝わってきました。パンフレットの中で加藤さんが
“どうやらこの現代は色々の地図や人間一人一人の個性を必要とせず,ペラペラの紙きれや機械の中に画一化して収めようとしているらしい。だからこそ劇場に劇場の表現にこだわるべきなのです。”
と書いていますが,私も演劇である以上“劇場の表現”というものにはこだわるべきというか,演劇という手法を取っている以上,演劇だからこそ成し得る表現を観たいと思っているので,この文章を読んだときは脳みそが激しく反応しました。ピコーンって。笑
例えば最初の音楽~「昔,トルコで戦争があった(みたいなせりふ)。」とか。子爵がまっぷたつになるまでは紗幕で手前のボクと奥の戦争シーンが区切られているとか。回転舞台が回ると場面がひとつ進んでいるとか。お芝居ならではだなぁと思いながら観てました。
そうそう。最初のひとつの音から始まって,徐々に人と音楽が増えていく最初のシーンが超かっこよかった!あと最後の音楽&歌も,圧がぐあーっと迫ってくるのを感じました。かっちょよかったなぁ。
素敵なせりふにも出会いました。全部は覚えていないけど,「芸術も○○も,断片に過ぎない」みたいな言葉。あぁ,こんなんじゃ何も伝わらん。笑
でも全てが丸くてカンペキなものなんてないんだろうなぁと改めて思えたのでした。だから私は私が欠けていても,きっと大丈夫。多分。
今回出会えた役者のたまごさん達は,卒業までにどう大きくなって,卒業したらどんなお芝居をするのかな。このお芝居を観られたことももちろん良かったですが,私の席の近くにいた,日芸の学生さん達がワクワクしながら観ている姿を見られたこともなんだかほほえましくて嬉しかったです。笑
…なんか思い返すと,授業の一環(?)として大学生がつくったお芝居を観るのは,2009年の明治大学の『ハムレット』以来かも。
大学によってやっぱり“色”ってあるんでしょうね。日大を満喫できて楽しかったです☆
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