@まつもと市民芸術館主ホール
作:鴻上尚史
潤色:長野県田川高校
出演:長野県田川高校演劇部
文化祭の『もっと泣いてよフラッパー』に続く観劇。文化祭はまさかの2時間弱のお芝居で,やりたいことはわかるけど…と思ってしまったのでした。今回は1時間の規定。どんな作品を持ってくるのかなと思っていたんですが,鴻上さん!中信では2000年代前半に豊科高校がやっていたけど,田川が鴻上さんかぁ…!どんな作品になるのかしら…と思って楽しみにしていました。
観終わって思ったこと…。
(カット,大変だったのかなぁ…。)ということ。
すごい面白い話だと思うんです。作家とプロデューサーが恋に落ちるまで。
でも,ストーリーはギリギリ追えるんですが,登場人物の内面まで追えたかなぁと思うと,そこまではいけなかったかも…。うーん。何だろう。何でそうなったんだろう。単にカットの仕方の問題なのか,キャストさんのお芝居の問題なのか,演出の問題なのか…。うーん,多分どれもあるので単純には「これ!」って言えませんが,きっともっと面白い作品なんだろうなとは思うんです。
カットの仕方とかはさすがにわからないので,今回観たお芝居のことを考えると…。
次元?次元の移り変わりが,もう少しスマートにできたらなーって思いました。劇中劇やさらにもう一段階上の劇中劇が出てきますが,そこの切り替わりにいろいろと手間がかかっているように見えました。そしてその際切り替わりの効果音を使っているので,暗転中は無音になってしまって,もったいない時間が流れていた感じ…。
例えばいっそのこと暗転にしないで→ビデオの巻き戻しや早送りのようにせかせかチャキチャキと動いて→ストップモーションを挟んで→カチンコの音でお芝居始める!とか。暗転の中で長いせりふが出てきたシーンがいくつかありましたが,実際体は動いていないのにせりふだけそれっぽく出していたりすると,個人的にはなんだか醒めちゃうというか…そんな感じもあったので。だったら見せちゃえばいいかなと思ったり思わなかったり。もっとスマートに切り替えられる気がするので,そこは演出さんの腕次第なのかな。
…と書いたんですが,今回も演出さんのお名前がなかったので皆さんで作ってきたのかなと推測しています…。
みんなで意見を出し合うのももちろん必要な作業だとは思うんですが,「じゃあ最終的にこうします」と舵を取るひとがいなければまとまりとしては薄くなっちゃうかなーと感じました。講師の方が舞台セットの階段のことをお話されていましたが,多分センターに固定のひとが一人いれば,(あ。動きづらそうだな)とか(あ。ここの演技見えないぞ)とか気づけるんじゃないかなと思います。ぜひ一度徹底的に裏に回る人を立てて,演出に専念する部員さんがいても良いんだろうなー。←実際の事情はわかりませんが…。
あとは衣装とかメイクの部分で,向井くんのネクタイの色と皆さんの前髪が気になりましたー。
なんか,遠目から見るとネクタイが黒っぽくてまるでお葬式だったので,そこは色に工夫があると良かったなーというところと,
室内なので皆さんスリッパなんですが,カパカパしちゃう人が多いように見えたので,スリッパと靴下?足?をもう少し固定できると動きやすかったのかなーというところと,
以前からそうですが前髪が下りてる方が多いので,まゆや目のお芝居が見えず残念だったなぁと思います。
でも今回音響にすごくこだわりを感じました。鳥の声とか雷,そういった音が大きめでおどろおどろしい感じが伝わってきました。ああいう時計の音って突然ボンボン鳴るから超驚きますよね…。わかります…。
舞台装置もシックな感じが素敵でした。真由美のドアは取っ手とかがもう少しこじゃれてても良いかなと思ったけど,全体的に落ち着いていたり,窓もあえての正方形で面白かったです。
間取りとかハコ自体を小さくしてもう一度練り直してみたら,コンパクトになってさらに面白い作品になりそうだなと思いました。60分できっちりまとめてきた田川なので,さらに次のステップへ進めるだろうなと感じています。
田川の皆さん,お疲れさまでしたー。
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