@まつもと市民芸術館主ホール
作:たかのけんじ
出演:長野県塩尻志学館高校演劇部
おかえりなさいたかの先生~!(´∇`)ノシ
私は中信地区の演目を知ってから,この日この時間を楽しみにしていました…!そして蟻高に続き,今回特に気になる3校のうちの一つでした(志学館への思いはこちらの記事で)。
そう。↑の記事で,「シリアスではなさそう…」と書いていたんですが,4分の1くらい裏切られました。さすがけんじたかの…。笑
幕が上がる直前まで,緞帳の向こうから ザワザワ… ザザザ… という音がしていて何なんだろうと思っていました…。気になったのは私だけではないはず…。ロスコ―かな。ロスコ―たいてる音かななんて思いました。が。違いました。
開演して,びっくり。(゜д゜)
ほ・ぼ・さ・ら・ぶ・た・い!!!
幕の間から漏れ出ていた赤い光はホリゾントの色。
ザワザワ言ってたのは舞台奥のゴミ袋の音。
シャンソンのような曲が流れ,しばらく待っていると…人が出てきた!しかもなんか生まれた感じ!
と思ったら上から袖から大道具が出てくる出てくる!
なんだか,昨年志学館も出ていた塩尻市民演劇フェスティバルで田川がやっていた『審査員』を思い出しました。あれも最初サラ舞台から始まって,ちょっとすると幕とか道具とかがバトンで降りて来たり袖から机が出てきたりしてセットが作られていったのでした…。
今回の志学館はパネルが白黒だったり奥の扉の絵が抽象的だけど質感が素敵だったり(ネオンの「BAR」も素敵だった),今まで観てきたたかのけんじ作品にはない感じでしたが,センスはさすが…と思いました。
というか講評で聞いて私もたまげたのですが,パネルは切り絵なんですね。どひゃー。さすが志学館というか…。いろんな才能をお持ちの方が集まっている学校だと思うので,たかの先生の世界を立ち上げることができるんだろうなぁと思います。
さてお芝居の中身へ…。
パンフレットにすんごいたくさん(9人)役名が出ていたので,にぎやかな作品になるのかと思いきや!
まさかのほぼ二人芝居でした。
え!出だしのあのダンスとかとっても素敵だったのに!
講師の先生が仰ってたように,作品が始まるとしゅしゅしゅーっとしぼんでしまった感が否めない!
そうそう。ホッカイロ女に対して周りの聴衆が固まってて,せっかくみんな個性的で良い格好してるのに見えなくて,もったいなーいと思ってしまいました。街のひと,一人ひとりちゃんと職業が見えて,衣装のこだわりを感じました。だからこそちゃんと見たかったなぁ。
なんだか,気づいたらホッカイロ女と女(女1と2で良いのかしら…?)になっていて,あれれいつの間に世界がそんなふうになってたの!?と思っちゃいました。ちょっと違うこと考えていたら,まるで台本のページが飛んだような状態に…!油断したら展開が早かったです。
そして気づいたら,あれ。この構図。なんか観たことあるぞ。
2002,03年に美須々でやってた『少女監禁』ってこんな感じじゃなかったですか…?(´_`)?
たかの先生…2010年代版の『少女監禁』なんですかこれは…!?と,悶々と考えてしまいました。
男のDVとか超こわいよーオロローン!ホッカイロ女の泣く声が悲痛だよオロローン!
しかも観てると,ホッカイロ女のママは女に見えてしかたないのですが,実際どうなのでしょう…。考える余地があるようでないようで,なんだかストーリーとしては膨らみ切れていない気がしました。
枠としては1時間あるけど,気づいたら長いことホッカイロ女と女しか出てこなくて,(もしかしてこれで終わるのかしら)と思ったら本当に終わってしまいました。40分で。うーーーー。なんだか消化不良です。1時間版にできるならしてもらって,もう一回観たいなぁ。
そういえば要所要所でシャンソンが使われてて,とてもオシャレというか素敵な時間でした。しかもしっかり聞かせていて,その間の時間の進み方なんかも他と違って,面白かったです。
そのうちの一曲が「愛の賛歌」だったんですが,私あの曲って男女の曲だと思って今まで聞いていたんです。なのであそこにかかったときに(えぇ!?)と思ったんですが,ホッカイロ女の心情だと思って聞くとまた違うのかも。世間にどう見られても,ママに見つけてもらえるならそれでいい。みたいな。
あ。そして今の文章打ってて観てた時に感じたことを思い出しましたが,ホッカイロ女の,感覚というのかな。そういうのが,アンバランスな気がして。
ホームレスみたいなおじいちゃんにお金もらえるなら何されてもという風に考えてる(←ホッカイロ女曰く,今までそういう人もいたし)その一方で,ママのこととなるとなんだかとてもピュアで,妙に現実と幻想が混ざりまくってるひとだなぁという印象がありました。そういう意味で,アンバランス。
でもきっとベースは健康的なひとなんだろうなという感じも。私はお仕事で施設にいらっしゃるお子さんに年何回かお会いする機会がありますが,やっぱり実際に被虐のお子さんと,生まれてすぐ親と離されているお子さんでは,傷つき具合が違うなぁということを感じます。ホッカイロ女は生後すぐに捨てられてるので,そこはアレですが変に傷ついてないので,あのベースを保てたんだろうなぁなんてことも思いました。
ひっさびさ(2006年の松本美須々ヶ丘『スローグッドバイ』以来…?)の創作と思うと,感覚とかそういうものを取り戻すのも大変だったんだろうなーと思います。なので40分であっても,またたかの先生の作品を拝見できて感激でした。かつて中信で創作を発表されていた先生方が他の地区や管理職に異動(昇進?)されてしまっても,こうして同じ地区で同じ先生の作品を拝めて,とても嬉しいです。また機会があればぜひ拝見したいです!
そういえばパンフレットにはさまってましたが,10月末にレザンで公演打つんですね…。モチベーション高すぎて,さすがですって感じです。笑 中ホールってチョイスも素敵です。
…っていうところまで打って,もしかしたら10月末の公演,観に行けるかもしれないことに気づいたので,ちょっと予定を調整してみたいと思います!←結構本気
ドリーミン☆なイメージがあった志学館。たかの先生でちょっと刷新です。どんなカンパニーになっていくのかな。これから楽しみです。
志学館の皆さん,お疲れさまでしたー。
(余談。)
大会が終わって,帰りの道中,母に感想を話していたのです。
<前美須々にいた先生が今志学館にいるんだよー>って言ったら,「たかのなんとか先生?」って,私の友達の名前とか全然覚えてくれない母がたかの先生の名前出してたんで,びびりました。
しかも「舞台装置にベッドとかあったよね」って,2004年の『海を流れる河』のことを話し始め,さらにびびりました。
11年も前の舞台のことを,他校の保護者が覚えてますよたかの先生ぇー!)
(とかいろいろ言ってますが,私たかの先生と一回もお話したことありません。機会があったらお茶とかしてみたいです。←
+++
(2015.9.27追記。)
すみません。シルバーウィーク開けたらレザン公演の翌日に仕事が入ってました。行けない…。無念…。
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