@千曲市更埴文化会館あんずホール
作:渡辺健太郎
出演:新潟県立六日町高校演劇部
これで新潟県の高校演劇を観るのは4作目。タイトルに『六日町』と,学校名と同じ地名を引っ張ってきているだけあって,とってもローカルなお芝居でした。
幕が下りていくときに…いや下りる前から…「純朴」という単語が私のアタマにぴったりくっついていました。南魚沼のコシヒカリのようにすくすく育っている…!そんな雰囲気がお芝居から伝わってきました。本当に,この地に根付いて生きているひとたちだからこそ作れたお芝居なんだろうな,と。
ただ残念だったのは,縁側のスペースを確保すべく舞台全体が奥に行ってしまったようで,室内の会話やさらにその奥の廊下から出てくるせりふが聞き取りづらかったこと!お腹からしっかり声が出ている方が少なかった(ように聞こえた)のもあるかもしれませんが,物理的に遠すぎたかな…と思います。やっぱりせりふが聞こえないと,お芝居として成立しなくなっちゃうと思うのでもったいなかったです。
田舎・実家に残るひと,実家や故郷から抜け出し都会に出ていくひと。私は後者なので「家のこと全然考えてない」ってせりふはちくっとしました。私も親なんかと話していると(近くに娘が住んでるのって親からしたら心強いんだろうな~)と思うし,その場に住んでいるという行為が「大事にしている」「考えて行動してる」ことになるのかなと思うとわかりやすい「大事」の仕方だなって思います。
だけど私は地元で育ったからこそ,大切なひとに大事にされたからこそ,外に出て,自分の目指すものを実現させることがそのひとを大切にすることだと思って上京しました。何をもって「家族を大事にするのか」「家のことを考えるのか」って難しいなァとしみじみ思いました。特にこの南雲家は自営だから,余計その土地で,自分達で背負わなければいけないものが多いんだろうな。
そうそう。先生が家庭訪問するときの服装について,講評でつっこまれていましたが,私は違和感なく見られたので,長野県のDNAを持っているなと改めて感じました…(笑)。つまり,ポロシャツで行ったりジーンズで家庭訪問してもそれが“当たり前”の地域なんだろうなと。スーツだと逆に浮く文化なんだろうなと。だって表のピンポンで反応がなかったら,良くも悪くも遠慮なく縁側に回ってきちゃってOKな地域なんだから。これはこれでアリなんだろうなと思いました。
わたわた準備したり,あの先輩のこと好きだなとか,フラれてびやーーーーーっとなっちゃうあたりは,この前の週に観た神奈川県立湘南高校定時制の『さよなら小宮くん』を連想しました。思わず(え,デジャヴュ…!?)と思っちゃいました。笑 女子高生の「好き」の気持ちが止まらなくて駆け出してしまうのは,どこに生きていても一緒なんだなと思います…。
「ここは六日町あたり」という曲があるの,初めて知りました。曲から出発した作品なのか何なのかはわかりませんが,全部聴いてみたいなーなんて思いました。
六日町のみなさん,お疲れさまでしたー。
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