@千曲市更埴文化会館あんずホール
作:小林友哉
潤色:大庭陽一&演劇部
出演:神奈川大学附属中・高校演劇部
もーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
やられました。南で浜松海の星高校『大正ガールズエクスプレス』にやられた!と思ったのですが,北関東ではこの学校に,してやられました。笑
こんな2010年代に,こんな直球ストレートのお芝居があることにびっくりしました。現実にこんなことあるもんか,とかそういうことは全く考えず,とにかくこの世界にどっぷり浸かれた60分間でした。
と同時に,既成にも関わらずまるで今回のキャストの皆さんのために当て書きされたような作品だったので,さらにびっくり。
14人も登場人物がいるのに,一人一人キャラクターが立っていてとても見やすかったです。“台本を使って自分達を見せる術”を知っているな…!と率直に思いました。
見やすかった要因に,「見た目」があると思います。たとえば中学生と高校生でスカートの柄やリボン・ネクタイが違うだけで,(あぁ同じ敷地にいても先輩後輩だな)というのが一目でわかったり,双子コーデをしている二人を見るだけで関係性がわかる。衣装のセンスがとっても良いなーと思いました。(双子コーデの二人がちゃんと学園祭になっても色を引き継いでいて,キャラがぶれないという意味でとても良いと思った!)
それからテンポ。とにかくいろんな人がいろんなところに出はけしている舞台なんですが,微妙なタイミングですれ違って場面が切り替わっていて…。無駄がないし,(そうそう。人生ってこういう些細なズレやすれ違いの積み重ねだわ~)と思えたし,抵抗なくスッと観ることができました。あの疾走感が,とても気持ち良かったです。
速報あんずっこによると,普段の稽古では顔の筋肉をほぐして表情を豊かにするために顔面体操をされているのだとか…。その成果がすごーく出ていたなぁと思います。今回南も含めて関東大会を観てきましたが,「声は出てるのに表情がついてこない」というお芝居をちょこちょこ観てきました。せりふだけ聞けば感動するのに,それに伴うはずの表情がなくて,視覚的に残念…!と思えてしまうところがいくつかあったんです。
しかーし!神大附属はそんなことなく!というか皆さんとってもイキイキしていて,観ていて心が躍りました。表情をつけたくても,ベースである表情筋がしなやかでないと顔って作れないと思うので,普段の努力の賜物なんだろうなぁと思って観ていました。本当に,楽しそうにお芝居されている皆さんを観てはわぁ~ってなってました。私。笑
(みんな表情が良かったけど,一番キュンとしたのはやはり昴ちゃん…!)
後半の方で誰かが誰かを追いかけて,それをさらに別の誰かが追いかけて…下手でドッタバタドッタバタするところがあると思うんですが,あれが本気に見えてとても良かったです。体ぐいーって引っ張られちゃうところとか。中途半端だと,(あ。手加減してますね)っていうのが見えて「嘘」が伝わって来てしまうんですが,そんなことなく!
環が昴ちゃんをギュッとするのも,もろもろ含めて「潔い芝居」だったなと思います。
ただ一つ(あ。)と思ったのが,いっちばん最初の,女の子達が後ろ向きに“恋文”を読み上げるところ。おひとりおひとりの声はとても素敵なのに,ケンカしているというか…重ねて聞くと,あんまりクリアに聞こえなかったんです。(←私の耳では,です。あくまで。感覚の話なので,響き方は人それぞれ!)
そこがキレイに聴こえると,さらにワクワク感上がっただろうなと思います。(その後十分上がりましたが…)
2010年代に入って関東大会に行くのが初めてだったので,南との交流が始まってたなんて知りませんでした。埼玉長野新潟群馬栃木という海なし県or日本海の荒波を受けて生活している高校の中に,ぽーんと浜っ子の爽やかな風が吹いてきた…!かっさらっていった…!と本気で思いました。本当に,刺激的でした…。これで南関東と合わせて,神奈川県の高校演劇を2校拝見したので,自分なりの神奈川県観が見えてきたような気がします。笑
全国出場,おめでとうございます。年度をまたぐので全国ではキャストさんが替わってしまうかもと思うと,この関東で神大附属の『恋文』を観られて良かったです。あ,今更ですが,『恋文』ってタイトルが好きです。笑 全国大会でも,のびのびとしたお芝居ができますよう。
神大附属のみなさん,お疲れ様でしたー!
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