Saturday, July 9, 2016

長野県塩尻志学館高校演劇部 第67回桔梗祭公演 『Another Alice Story』

@長野県塩尻志学館大教室

作:清沢由
出演:長野県塩尻志学館高校演劇部

実は私,地味にここ最近の志学館の作品を観ているのです。2014年・2015年は地区大会と塩尻市民演劇フェスティバルに足を運んでおりまして,それぞれ別作品だったので,ここ3年ではこれで5作目。うん。そこそこ観てる。笑 …ので,これで3年生の皆さんは引退かと思うと感慨深かったです。

予定がちょうど合ったのと,たかの先生がいらっしゃるからどんな舞台なのかな!って感じで,お邪魔してみました。志学館は12年前に第55回の桔梗祭に行ったっきり。久しぶりすぎてどこが何なのかよくわかりませんでしたが,会場が良かったです…。
総合学科なのでいろんなタイプの教室があるようで,演劇部の会場の大教室はメインの教室棟とは離れてて,外部の音が全然入ってこない!その立地条件もすごいなーと思ったんですが,教室ですよ教室。まるで大学のよう!高校からしたら大教室なのだろうけど,大学の,後ろが段になってる講義室のちっちゃい版というようなところでした。なのでまさかの,机付きの観劇…。面白い。面白かったです。笑

そしてパンフレットをぱらりとめくってみたら,たかの先生作品ではありませんでした!それはそれで衝撃だったのですが,なんとびっくり。作者の方が志学館の卒業生!で,かつ今志学館の先生!!!!!
嘘!そんなことってあるの!?出身校に配属されることなんてあるの!?(゜ ゜)なんか,メンバーがALL志学館って感じで,しかも志学館で上演してて,本気のホーム公演に来てしまったー!という気持ちになりました。
(調べてみたら,2013年の中信地区大会で上演されていましたー。これを観た当時中3の子が今の高3ってことかぁ…。)

固定された机がある教室での公演なので,アクティングエリアは決して広いとは言えないところ。それでも大教室ならではの使い方がなされていて,本当に面白かったですー!
冒頭のストーリーテラーが話し終えて,本編!というところで,まさかのパネルが絵本のようにめくれたり,まさかのホワイトボードが稼働して舞台セットになったり!(大教室は黒板じゃなくてホワイトボードでした。そしてどうやらスイッチひとつで電動で動くっぽい。最初は2枚とも下に下りてたのだと思うのだけど,パネル転換時にこのホワイトボードもうぃーんと上に上がって,舞台セットの仲間入り。すごかった。)
いや考えましたね。会場を味方にしているってこういうことだなーと思いました。

さてはて中身ですが,私はもともと志学館に対してふわふわドリーミンなカンパニーという感じを持っていて,最近はたかの先生節でそれが抑えられているように感じていたのです(あくまで個人の感想)。やっぱり皆さんこういう感じお好きですね!という世界観のお話でした。アリスがモチーフなんていかにも…という感じがしますが,オタクが投入されているから拍車がかかってました。笑

観ててびっくりしたのは,登場人物達のビジュアル!最近ここまで詰め詰めの高校演劇って観てなかったので,すっごい!って思っちゃいました。高校生の定めとして髪の毛をいじるのに限界がある…というのがあると思うんですが,今回出てきた人達の中でウィッグ使ってないのは誰ですか?というくらいの使用率。アリスは金髪,チェシャ猫は紫のセミロング(?),帽子屋さんは茶髪ロング,ハートの女王は真っ赤な巻き巻きロング。主人公リョウくんも色は暗めだったけど,男の子に見えるようなやつをかぶってて(この役者さんって『ボクのじゆうちょう』で主役だった子かな…?),ともかくビジュアルで魅せることにこだわってました。今この感想自体は7月下旬に書いてますが,今年観に行った高校の文化祭やホール公演に行った5校のうちダントツだったなぁーと思います。演技や舞台美術にこだわるのももちろんですが,それと同じくらいビジュアルにもこだわるべき…と今回5校を通して思いました。ここまでがんばった志学館に拍手です。

ビジュアルがものすごくよかった分,お芝居はあと一歩…!という印象でした。ホールとは違って,せっかく間近で観られるのだから,私達観客としては登場人物の心の動きが見たいなと思うのです。そしてそれがどういうところから見えるかというと,目だったり表情だったり,瞬間的な身体の反応だと思うのですが,あんまり見えなかったかなという感じ。せりふは出ているけど,感情が伴っているかとなるとちょっと別だったかなと思います。なんとなく,登場人物ではなく役者さん自身が戸惑っているようにも見えて,(あぁ~,がんばってー!)と,余計な気持ちも起きてる状態で観てました。笑 今回初舞台だった方もいらっしゃるようだったので,今後に期待です。個人的には帽子屋さんのほわーっとしたキャラが好きでした。

あとあと,パンフレットには昨年から始まった『ひさしの星』の巡回公演の実績とか今後の予定なんかが載ってて,単にこの公演のためだけのパンフレットで終わっていなかったのがとても良かったです。『ひさしの星』のレザン公演の人数には,私も含まれていると思うと嬉しいなーと思ったり,その次の公演では観客数2という数字を見てひょえーと思ったり。一つの作品で14回も公演することが高校演劇の枠ではいかに難しいことか…。それで延べ500人集めるって,なかなか簡単に他校で真似できることじゃないよね。いやー。いい経験されてるんでしょうね。志学館の皆さん。

3年生の皆さんはこれで引退なのでしょうか。3年間ひっそり拝見しておりました…。お疲れ様でした!新生志学館がどう成長していくのか,引き続きひっそり見守っていたいと思います!

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