Saturday, March 7, 2015

劇団→ヤコウバス第5回公演『Bottle Ship Journey』

(公式webサイトより)

@吉祥寺櫂スタジオ

脚本・演出:川名幸宏

出演:港谷順/酒寄拓/川名幸宏/西村俊彦/丸山港都/宮崎卓真(四次元ボックス)/浦田大地(ナナイロスペース)

川名くん(と勝手に呼んでみる)と港都くんが同じ舞台に出ているのを観るのは…多分2009年のきせかえできるねこちゃん『遺産相続ゲーム』以来!久しぶり!久しぶりすぎる!!!

私からすると明治のお芝居は,カタいというかブンガク的というか,カチカチっとしたイメージがあったのです。昨年夏に観た山本タカさんの『旅人と門』しかり。川名くんの作るお芝居はどんななんだろう~と思って,今回観に行ったのでした。

ちょうど今年の1月に,栃木県立栃木高校演劇部『山猫歎異』で,キャストが全員男子!というお芝居を初めて観ました。高校演劇を除けば,私の中でall男子芝居は今回が初!
この,男の子達だけの世界観がすんごい素敵でしたー☆男の子だけだから出せるワイワイ感とか,絶望が漂う空気とか…。そこにちょっと狂気も入っていたりして。そんな感じがたっぷり伝わって来て,圧を感じました。圧。
エロ本とかどんちゃん飲むとかタバコ吸ってみるとか,女子が入り込めない世界というのがきっとあると思うのですが,のぞき見できたような気がして,ドキドキしました。笑

7人いたらキャラかぶるんじゃないかとも思ったんですが,ちゃんと最後まで見分けることができてよかったです…。あんしん…。ただ,残念なことに名前は覚えきれませんでした。←カサハラさん,ワーキングメモリー弱いニンゲンだから。笑
その場を引っ張っていくひともいれば反発するけど反論できないひと,ただなんとなくフラフラして場に乗ってるひと,意思を持ってそこにいるひと…多分明確なポジションがないひともいただろうけど,そういうひともいてこそ社会の縮図なんだろうなーとも思ったり。

そうそう。お父さんが漁師のひと…!(ほら役名覚えてない。笑)浦田大地さん!
彼が途中から藤原竜也に見えてきましたー!きゅんきゅんしましたー!!!笑
アツい感じが,良いですね!勢いのまま生きている姿がよかった…。あと,掃除のおばちゃん(言い訳は聞きたくありません!)が良かったなー。

博士役の宮崎卓真さんもたまらんでした。見た目が良いですね。博士感溢れてますね。80年代にいそうな,天パと丸メガネの組み合わせがアタマ固い人っぽくて良かったです(ほめてます)。バタンと倒れた後にそそっとつぶやく一言(○○の原理と同じだよ的なせりふとか,そこ。)がクスリときました。絶妙な間が良かった…。
画家の先生として出てきたときは,(え,誰誰!登場人物8人目!?)と本気で思ってしまいました。すごいなー!メガネ取るとあんなに印象変わるのですね…。

演じ分けといえば,隊長が良かったです…。シュンの母親役も良かった!最近私は(男が女役をやった方が場合によっちゃ怖いんじゃ)と思っているんですが,隊長役の西村俊彦さんもまたそんな感じでした。お母さん,どうしようもなく具合悪い人なんですが,その緩急が見えてぞぞぞぞってなりました。あとああいう家って,結構あるんじゃないかなとも,観ていて思いました。
だからこそ,シュンが撃とうとした相手(というか一発撃ってるけど)が隊長というのもなるほどなーという感じ。家を仕切る人がお母さんだとしたら,船を仕切るのは隊長だから。面白かった。

話がゆらゆらあっちいってこっちいってですが,この流れでシュンのことを思うと…
こういうひとも世の中にいそうだなと…。親から罵倒されて,踏みにじられて…というあたりもそうだし,他を排除することでしか外界に出られないと思っているひと。「母はこの絵の価値をわかってくれないんです」みたいなせりふがあったと思うんですが,「この絵の価値をわかってくれない」と自分で言っている時点でちょっと溺れてるというか,それって客観的に評価はされていないよねというか。引きこもりの人の中には「明日は自分がスターだ」という意識をどこかに持っているというけれど,それに似たようなものを感じました。他責100%で,自分の否を認められないのかな…。
自分はデカいとどこかで思ってるから,きっとタバコもお酒も進んでチャレンジする。挙手もする。でも指されたら何も言えず立ちすくんでしまうというあたりに,シュンの全てが詰まってるような気がしました。

なので隊長の銃を持ち出して銃口を仲間に向けていたときは,(学習してないひと!)(ノロ`)!!と心の中で叫んでしまいました。笑

でもああなったら彼が死ぬか,彼以外が全員死ぬかどちらかなんじゃないかなーとも思うんですよね…。言葉で説得とか,できるのだろうか。思いつめたら自死しちゃうんじゃないかなとも観ていて思ったので…。どのみち彼は他責100%なので,言葉で詰められて自責になったら生きていられないんじゃないかと思うわけです。ジョーがぱりーんと瓶の世界を撃ち抜いたときは,(きれーい!)と思ったと同時に若干拍子抜けもしちゃいました。全員生かすには,ああいう方法しかなかったのかな。(でも照明はやっぱキレイだった。笑)

そうそう。私の予想以上に港都くんがメインキャストでびっくりしました。笑
シャツがピンとしていたのは好印象だったのだけど,シャツの下の方になんかのシミがあったので(あちゃっ)と思いました。この距離なので,見えてしまうのですね…。粗探ししてるみたいでスミマセン。でも見えてしまったの…。よよよ…。
あ,そう。で,港都くん。なんか久しぶりに彼が等身大で芝居しているのを観た気がします。ほめてます。私の知っている彼の作品の中では,特に良かった気がする。あくまで私の中で。あと,このひと不老な気がするんだけど。気のせい?ちゃんと年取ってるの??←

ついでに,今回早目に予約したらば,劇団メンバーの港谷順さんから直筆のお手紙をもらいました。港谷さんって何て読むんだろうーと思ってたんですが,「こうたに」さんなんですね。覚えておきます。
男のひとから直筆のお手紙をもらえるなんてそうない時代なので,私はかなりときめきました…。どうもありがとうございます…。おかげさまでよい旅を過ごすことができました。あと,フライヤー型チケットが面白かったです。

目の前で男の子達が必死に生きてるのを見て,なんか元気出ました。
人生いろいろありますが,私ももうちょっと生き延びようと思えました。
あ。そうそう。つばシャワーが必死さを伝えてくるよね…。かかるのは嫌だけど,男のひとのつばシャワー見える分には素敵だと思うの。笑

きっと「旅するために旅をする」ように,「生きるために生きる」ことができたら幸せなんだろうけど,そんなことも言っていられないのでとりあえず次の観劇予定までは生き延びたいなと思う次第です。
おしまい。

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