ここ数年、20本近くプロ&アマの芝居を観て、さらに地元の高校演劇を10本程観る・・・という感じで過ごしてきました。
がしかし!今年は恐ろしいほど観た数が少なく、その数例年の半分!かつ地区大会は観に行かなかった!ので、非常にエネルギー不足な年となりました。
でもでも選んで観たつもりではあるので、そこからさらに選ばれしmyベスト5をご紹介
「罪と罰」
作:ドストエフスキー
構成・演出:田中麻衣子
出演:占部房子・内田亜希子・花王おさむ・田岡美也子・藤井びん・大方斐紗子 他
まつもと市民芸術館(小ホール)/12月
2007年7月にトライアウト公演として上演された後に、さらにワークショップを重ねて今回の公演に至るというのだから、なんてたっぷりの時間を使った、ぜいたくな作品なんだろう。
まつもと市民芸術館に専属の劇団(レジデントカンパニー)ができて早・・・4年?なのかな? 今までメンバーの近藤さんや佐藤さん、内藤さん、細川さんが出演されている作品は何作か観てきたけど、実はレジデントとして観るのは今回が初めてで、とっても楽しみにしてました! それに加え、教育実習中に中信地区の演劇部のWSが芸術館であって、私も副顧問その2みたいな感じでめっちゃ参加してきたので、メンバーの方の素もちょろっと触れていたことから余計楽しみでした(*´∀`*)☆笑
観ていて、いろんな舞台のことを思い出しました。演出が田中さんだからなのかはよくわからんですが、2005年に観た「コーカサスの白墨の輪」を思い出しました。ドアを開ける音のあたりとか。 あとオープニングは、2007年に観た新国立劇場の研修所公演の「三文オペラ」。怖カッコイイ集団!て感じが。笑
これまた田中さんだからかわからんですが、観ていて安心するっていうか、懐かしいっていうか、そうそうこれこれ!っていう舞台を久しぶりに観たなぁ。ひとつのモノが椅子になったり、ふたつ並べれば机になったり。ああいう舞台がやっぱ私好きなんだな・・・。 でもシャワーカーテンていうか、ビニール製のカーテンがすごく効果的でした。何枚かを使って、舞台を縦横無尽に(?)仕切れるようになっているのです。誰かの部屋にもなれば夜の霧にもなる。自然素材じゃないから逆に舞台にマッチしてるんだろうなぁー。
・・・これ観たことないひとには全然伝わらない内容でごめんなさい。久々に原点を観た!っていう充足感によるランクインです。笑
あ、でも、観客の年齢層がもうちょっと若くなっていくといいな!と思いました。(私が観た回だけかもしれないけど、おじさまたくさん。)
地元に愛されるカンパニーに育っていくことをひっそり応援してます。
STUDIO TURNS Studio Performance Vol.4 <FOR> 「食いしん坊オーラ」
振付:NaHeek
出演:内山久美子・加賀田フェレナ・黒田珠代・牟田のどか・横山真以・横山真希・NaHeek
STUDIO TURNS/11月
それぞれ10~20分の6作品で1つの公演、という感じだったのですが、そのうちの1つがこの「食いしん坊オーラ」(笑)。中学で同じ部活だったマキが出演するというので観に行きました!
私の場合、ダンスは芝居と比べて観た回数がかなり少ないのだけど、今まで観てきた作品の中でいっちばん面白かったです☆ そういえばマキと出会って10年近くになるけど、マキが踊るのを観るのは初めてでした。(←確か専門学校の卒業公演でマキは「軟体動物」って紹介されてたのですが、やっとその軟体っぷりを拝めた。笑) あと、横山姉妹が共演というのも非常にポイント高かったです!
ともかく、本当に「踊るの楽しい!」というオーラがばしばし出ていて、すっごい幸せな気持ちになれました。マキもそうだったし、作品全体が楽しい雰囲気たっぷりで。踊れないけど踊りたくなっちゃいました。
私は、好きな人が好きなことしてるのを見られるのが幸せだと思ってますが、そう考えるとも中学からのおつきあいであるみなとくんが出ていて、2人とも当時から目指してたことをやってて。・・・22歳って、夢見てたことを実現できる年なんですね。ふと思いました。幸せをありがとう。
FUKAIPRODUCE羽衣「あのひとたちのリサイタル」
作・演出・音楽・美術・振付:糸井幸之介
振付:長谷川寧
出演:藤一平・日啓介・鯉和鮎美・高橋義和・伊藤昌子・キムユス・召田実子・加藤靖久・石村みか・深井順子・糸井幸之介
シアタートラム/1月
高校の先輩が出演されるというので、別の高校の先輩と観に行きました。開演して5分強(?)も暗闇の中で劇が進んでいくなんて、初の体験でした。真っ暗な間は、本気で五感をフル稼働させて芝居を味わいました・・・☆
本当に予備知識なしで観に行ったのですが、羽衣ワールドを存分に味わうことができました。 人生を春夏秋冬になぞらえていて、その終わりに向かってテクテクずんずん進んでいく「妙ージカル」な作品。うん、妙だった(笑)。春夏に勢いがあるぶん、秋や冬に当たる部分はさみしく感じました。 だけどそういうことを受け止めたくて、糸井さんはこの作品に向き合ったそうな。なんだか一緒に誰かの人生を追体験するような、そんな感覚になれました。 そう考えると、私は今、夏・・・なんだろうなぁ。7月16日あたり。 私も夏が過ぎるのを恐れず、進みたいものです。
舞台美術も独特のセンスがぴかぴかーん!でした。誰かが言っていたけど、糸井さんは吟遊詩人のようです。知り合いの人が出ないと見ないようなものって、普段自分が選ばないジャンルや作風にどんどん出会えるので、じっこ先輩ありがとうございます♪という感じです。 素敵な才能を持つひとの作品に触れることができました!
なにわバタフライN.V
作・演出:三谷幸喜
出演:戸田恵子
シアタートラム/2月
2004~5年に上演されたもののブラッシュアップ版。N.VとはNew Versionのこと☆ 先行の日を使って2列目くらいをゲットしちゃいました!初・生戸田恵子!!!
おソノさんやアンパンマン以外では、「ショムニ」とか「THE有頂天ホテル」くらいでしか戸田恵子自身がお芝居しているのを見たことなかったんですが、もーーーーーーーー圧巻!52歳であそこまでパワフルに、一人で空間を埋められるなんて!・・・そうそう。一人芝居なんです。“なにわバタフライ”とはミヤコ蝶々のことで、彼女の人生を追っていく感じ。戸田恵子がミヤコ蝶々、というよりは、「私戸田恵子がミヤコ蝶々さんを演らせていただきます」というスタンス。一人芝居ってついついひとりごとオンパレードってイメージを持ちがちだけど、ちゃんと旦那さんとか師匠の方とお話してるし、相手が見えるあたりに、この女優さんの実力を感じました。やっぱ声優みたいに声だけを使ったお仕事もされているからか、声ひとつで演技の幅ってこうも変わるんだ!とも思いました。
初演は観たことないのだけど、今回は上演時間も台本も、かなり無駄なモノをそぎ落として、必要最低限なもので勝負しているみたいでした。ただの再演じゃなくて、突き詰めていいものつくろうっていう三谷幸喜と戸田恵子の高い意識は、私も持っていたい感覚のひとつです。
にんぎょひめ
脚本・演出:テレーサ・ルドヴィコ(アンデルセン作「人魚姫」より)
翻訳・通訳:石川若枝
美術:ルカ・ルッツア
振付:楠原竜也
出演:大方斐紗子・松橋登・豊島理恵・楠原竜也・萩窓子
まつもと市民芸術館(実験劇場)/7月
ついに観られた「にんぎょひめ」
まつ芸で観ましたが、この作品の制作は世田谷パブリックシアターです☆
世田谷では毎年毎年「こどもの劇場」という企画の枠があって、これまでも童話やら何やらをもとに親子をターゲットにした舞台を作ってきたのです。それまでは毎年作品が変わってたみたいなんですが、2008年あたりからはずっとこの「にんぎょひめ」をやっていたんです。おんなじキャストで。しかも世田谷にとどまらず、東京の各ホールや国外にまで作品を持っていっちゃうのだから、こりゃすごいのだなと。観たいなと。思っていたのです。
でも公演があるときに限って(そしてご招待もきているのに)観られず。2010年も、世田谷でやるときに私が教育実習で松本行ってたり。でも、今回は世田谷以外では唯一松本で公演するってことだったので&今回で最後ということで、観に行くしかない!と思ったのです。いつもいつも私ばっかいいもの観てきたから、母も強制的に☆笑
「こどもの劇場」とは言いますが、プロデューサーさんは「子ども向けに作るつもりはない」とおっしゃっていたようです。そもそも子ども向けと言われるものは、せりふの喋りが不自然だったり、動作がオーバーすぎだったりして、根本さんご自身がその昔つまらない思いをされたのだそう。 そうではなくて、子どもの感性に響くものを作る。だからキスシーンもあるし、人間の憎しみとか怒りとか、ドロドロした部分も見せる・・・のだそう。
実際21の私が観たら・・・・いやー美しかった!非常に美しかった!!!にんぎょひめ役の豊島さんがこんにゃく座の方ということもあり(?)、恋するのがすんごいたのしい、生きることがすんごいたのしい、それが声に表れる女の子にすごくワクワクしちゃいました。笑 あとで知ったら豊島さん、30代なんですね。いやーすごい。
舞台装置も、光も、生演奏も、五感にどーんと響いてきて、久々に「良質なお芝居」を観た気持ちになれました。去年いちばんいいと感じた「奇ッ怪」も五感フル稼働!みたいなところが大きくて、やっぱり私はそういう作品に出会えると嬉しいみたい。 世田谷の小学生はこんな作品を芸術鑑賞で観られるなんて、すごいです。そうそう。上演前にはふと、都心と地方の文化格差なんてものについても考えてしまいました。こういう部分は、やはり商業演劇のカンパニーみたいなものじゃなくて、公共劇場の課題と使命というような感じもします。
全体
なんか・・・今年はむだに文章が長い気がするな。笑
本数は少なかったものの、良いものにめぐりあえたので満足です!
でも今年は非常に松たか子不足の年でした。私2005年から松たか子を生で見なかった年がなかったんです
※参考※笑
2005年「コーカサスの白墨の輪」
2006年「メタルマクベス」
2007年「ロマンス」と映画「東京タワー」
2008年「SISTERS」
2009年「パイパー」
・・・つまり5年に一度の危機!!!!!!!これは早いとこ年内に松たか子の映画をレンタルして観るしかない・・・! あと一週間だー!わーどうしよう!←パニック。
・・・ので、来月串田さん演出の松たか子主演の舞台、当日券並ぼうか検討中です・・・。笑
あと、「春琴」再々演、観ませんでした。あんなに初演を大絶賛してたのに。再演も観てたのに。 でもそれは、当時の感覚とは何かがずれてしまったんだろうなぁ。 作品そのものはとても美しくて、日本の美を堪能できるものではあるのだけど、私は佐助のようには生きられないことがわかってしまった!・・・から。 舞台ってナマモノだから、作品も観る側も、何かしら成長できる要素を持っているのですね。
はー。来年は生松たか子を観られますように。素敵な作品に出会えますように。
私の知る舞台関係者の皆々様が、さらに活躍できる年でありますように。
みなさん、公演情報は早めにください!笑