Saturday, August 8, 2015

第42回北信地区高校演劇合同発表会 長野県坂城高校演劇部『TSUBASA』

(北信地区高校演劇合同発表会パンフレットより)

@千曲市更埴文化会館あんずホール

作:大垣ヤスシ
出演:長野県坂城高校演劇部

大垣ヤスシといえば『ジャンバラヤ』とか『超正義の人』を書いた方というイメージで,この作品は初めて知りました。というか大垣ヤスシ作品自体初めてかも…。あれなんですね。今調べて知りましたが,2005年度に岡谷南と松本筑摩と一緒に作新の作品として関東に出てるんですね。

でもって坂城高校といえば,昨年の県大会出場校!マグロだったかカツオだったかで会場中を笑わせていた学校!(そして私は主人公・祥子ちゃん役の方の声がすごい好きだった。笑)
今年のパンフレットで見てみると部員さんが4人…!?メンバーも部の雰囲気も変わってしまったのかな~と思っていたのですが…
あれ!昨年の『158.9』で,クレヨンしんちゃんのミッチーみたいな暴走っぷりを発揮していた新妻をやってた方が出ている!声でわかりました…。役柄がガラッと変わっていたんですが,ぱっと聞いてピピっときました。一方的にでも知っている方が出ていると,なんとなく親近感…。

さてさて作品です。
幕が開いてしばらくは暗くて,どうやら人が入ってきて何か喋っているらしい。でもはっきりとは聞こえない…!ここはわざと聞かせなかったのかごにょごにょになっちゃったのかはわかりませんが,視覚が遮られているのに聴覚からの情報もイマイチクリアに入ってこなかったので,観客としてはなんだかストレスでした。

でも,照明がついてびっくり!狭ッ!!!(゜ ゜)舞台が,狭い…!

明らかに場転できなそうな舞台で,(これで60分やるんだ!)と正直思ってしまいました。昨年家の一室を舞台にしていただけあって,高い壁とかがすごーい閉塞感ありました。でもって部屋のゴチャゴチャ感がいかにも開かずの間という感じで,よかったです。ドアは締まっちゃったはずなのにちょっと開いちゃったときは(あっ…)ってドキドキしちゃいましたが…。

この舞台,主に女の子3人で回しているんですが,この3人のキャラクターが全く違って面白かったです。今どきっぽい子,じっとりしてる子,マイペースな子…。せりふから見えるキャラクターとパッと見の見た目が一致している感じがして,とってもすんなり見られました。あまりにもキャラがバラバラしているから友達なのだろうかとも思っちゃいましたが,思えば私も方向性が似てない子と仲が良かったので,そういうところはあまり問題ではないのだろうと思いました(それを問題にするひとやグループもあるけど)。

開かずの間に入って早々,ブルマ穿くあたりが面白かったです。ずーっと保管されていた,誰かが穿いたであろうものは,私は着たくないけど(笑)。でも同じもの身につけるとか,あと後半であんぱん食べてますが同じもの分け合って食べるとか,そういうところに連帯感というか,運命共同体というか,そういう雰囲気が感じられて面白かったです。(でもブルマは皆ぶかぶかというか途中でずるずる落ちてきちゃうというか前から見たらちゃんと穿けてるのに後ろはスカートが出ててあれれと思ったり。というかスカートをインしていて,あぁー,そう穿くのかーと思ったり。)

講師の先生も仰っていましたが,3人とコータローの関係がちゃんと見えました。あれだけ3人でわちゃわちゃ話していたコータローが実際に部屋に入ってくると,“表面上はああ言っていたけど実はこうだった”みたいなものがじわじわ見えた気がします。やっぱりひとつの空間から誰かがいなくなったり誰かが入ってくるとその場の空気って変わると思うのですが,ちゃんとギスギスした感じというか,私も居心地悪い感じになれました。やっぱりあの空間がもう少し広いとエネルギーが拡散しちゃうと思うので,狭いスペースに居心地の悪さを詰めるという意味で,あの舞台美術よかったなーと改めて思います。

あと,最後の最後に夕陽が差し込んでくるのですが,あの色はなんだかチープというか,なんだか単調に見えてしまったような…。そうでもないような…。
その,先月全国大会に行って美しい夕陽を舞台上で見てしまったもので,なんだかなというか…。うーん。なんだろう。何がそう見えてしまったのかな。窓の小ささかな。色合いの問題かな。あの作品だと,もう少しほんわりした色合いでもよかったのかも。なんだか,本当に燃えるような夕陽だったので。でも最後にちゃんと見せる照明をつくっているあたりは,さすがだなぁと思います。

きっと音響も照明も操作するひとがいるだろうから,このパンフレットにお名前が載っている皆さんに加えてお手伝いさん?がいるのかなーと思うのだけど,昨年人数がいた分大変だったところも多かったんじゃないかなと思います。ちゃんと自分達で収めてつくることができる作品を選べるのもそのカンパニーの力だと私は思うので,坂城のみなさんが今できるベストを観ることができたなと思います。
あと高校演劇は,2年以上同じカンパニーを観てこそ楽しみが増すなぁなんてことも,坂城高校を観て改めて感じました。
坂城のみなさん,お疲れ様でしたー。

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