Tuesday, May 5, 2015

テレビドラマ『問題のあるレストラン』(全10話)


◇STAFF
脚本:坂元裕二
演出:並木道子/加藤裕将
音楽:出羽良彰/羽深由理

◇CAST
真木よう子/東出昌大/二階堂ふみ/高畑充希/菅田将暉/松岡茉優/臼田あさ美/YOU/安田顕/田山涼成/吹越満/杉本哲太 他

2015年1~3月にTBS系列で放送

あぁぁぁぁーーーーーーーーー。
2015年5月3日にようやく全話観終わりました!一度予約できなかった回があり,職場の上司にダビングしてもらってよーやく全話!今季…って言ってももう全然今季じゃなくなってますが,2015年の1~3月のクールでいっちばんよかった作品でした!観てよかった!ほんっとに!!さすが坂元裕二作品。やっぱり良いドラマは…いや,お芝居でも映画でもそうだけど,良い作品は脚本だよね。これで作品の出来が7割くらい決まると思うの…。
あとこの作品はキャスティングも秀逸だった。だから本当にぐいぐい引き込まれた!


ではまず,私の心をぐっとつかんだせりふのあれこれを書き留めておきたいと思います。

#1
「短所とは,魅力の別名なんです!」

「不安って,人生を彩るちょっとしたスパイスだと思うんです。」

→発想の転換というか…。あぁそんなふうに自分やひとのことを見ることができたら,いいんだろうなぁとふんわり思いました。特に「不安はちょっとしたスパイス」という表現が素敵!不安になってもきっと大丈夫と思える。気がする。


「いい仕事がしたい。ただいい仕事がしたいんです。ドキドキしたいんです。手に汗を握って,息をするのも忘れるような,そんな瞬間に出会いたい。人生ってきっと,地位や名誉やお金じゃない。人生はどれだけ心が震えたかで決まると思うんです。」

→「どれだけ心が震えたか」に激しく同感!「動いたか」じゃなくて「震えたか」というところがまたいいなぁって思います。私もこんなふうに生きていきたい…。


#2
「いい話ってときどき,人を殺すんだよ。それ,誰かに押し付けた途端,美談じゃなくなるんだよ。」

→「人を殺す」というのはとっても強烈な言葉だけど,でもそう思う。私も半殺しくらいにされてきたし,もしかしたら誰かに重傷を負わせているかもしれない。そんなことを思ったせりふ。


#7
「便利なものはすぐ便利じゃなくなるの」

「苦しいときが上達するときだよ」

「普通のこと言うけど,やっぱり諦めたらだめなんだね。期待した方がいいことある。」

→2つ目のせりふは,自分に言われている気がした。そして私は苦しいだけで終わっていないだろうか。ちゃんとその苦しさを活かすというか…他のものに転換することを怠っていないだろうか。そんなことを。
3つ目はここ1年で私も感じたことで,諦めてしまったらそれ以上のことは起きないんだなぁと実感したから。期待すれば,叶うこともあるとわかったから。


#8
「私ね,好きなひとってあんまりできないんだよ。あんまり好きにならないの。そう簡単に男のひとを好きにならないの。でもその分,一度好きになったら,そう簡単に好きじゃなくならない。なかなか好きじゃなくならないの。ずっと,変わってないの。だからわかる。あなたとは,だめなんだって。」

→はー。このシーンたまらんです。真木よう子が東出くんの頬に触れながらしっとり話すこのシーン,たまらないのです…。そして私もどちらかと言えばこのタイプなので,ふひゃーってなりました。笑
「一度好きになったらそう簡単に嫌いにならない」ではなくて,「好きじゃなくならない」という部分がとても良いです。好きの反対は嫌いじゃないし,ひとの気持ちってぱっくりきれいに表現できるゾーンにそんな簡単に移ったりしない。嫌いとか無関心とか,あるいは憎むとか,“好き”以外の感情すべてを“好きじゃない”として表現しているこの複雑さがとても素敵。


#10
「今日をちゃんと生きれば,明日は来る」

→「明けない夜はない」とか「それでも陽は昇る」とかそういう表現はあんまり好きじゃなくって。小学生のときに聴いたジェーン・バーキンの歌にも「太陽は私がいなくても沈んだ」って訳詞があったし,私がいなくても世界は廻るし。
でも今この言葉が私に刺さるということは,今私ががんばりたいからなんだと思う。心のアンテナがうまい具合に向いてるときに,キャッチして嬉しくなる言葉なんだと思う。もしかしたら3年後,5年後,10年後にこの言葉を聴いても,ぐっとくるかはわからない。やっぱり「ちゃんと生きてなくても明日は来るし」と思うかもしれない。それでも今はぐっときている。ので。

こんな具合かしら…。


では次に,素敵なキャスト陣について。

真木よう子は…昨年の『MOZU』との差よ!笑 
同じTBSなのにこの差はなんだ!笑
やっぱり良い声してるから,コミカルなお芝居と聞かせるせりふのギャップがしっかりあって良いなーって思います。みんなをうまく巻き込みながらおしごとできるひとって,私はすごくあこがれで,真木よう子はそれをすんごい体現していたなーって思います。素敵だった!東出くんにキュンとする真木よう子も素敵だった。

二階堂ふみのお芝居は,『Woman』と『私の男』くらいしか観ていないのだけど,こういうじっとりした役,とてもいいよね。せりふの独特な間合いにパーソナリティがすんごく表れていて,器用に生きられないけど二階堂ふみなりに成長している具合が見えて,とっても良かった。最終話の「好きなのにどうして辞めなきゃいけないの?」みたいなせりふも,彼女の純粋な部分がストレートに出ていて素敵だったなぁ。はわぁ。

松岡茉優…は,名前だけ知っていて,今回初めてちゃんとお芝居観ました。
…なんて良いお芝居をするひとなの!目が,素敵すぎる!!!「良い」とか「素敵」とか,そんな言葉ばかりだけど,でもそうなの!いいの!二階堂ふみとはまた違う,絶妙な間とか,目の使い方とか表情とか。ノンバーバルなお芝居から“パーカーちゃん”がしっかり伝わってきて,見応えがありました。
7話は涙なしでは観られなかった…。このドラマの中で一番泣いた回かもしれない。7話もだし,あと最終話の異母きょうだいに3つのお話をするところもだけど,このひとが何かきちんと話すときのかっちり感というか,ぎこちなさというか,そういう部分が丁寧で,本当に良いお芝居するなーって思いました。『愛のむきだし』とか『桐島,部活やめるってよ』とかにも出演されているらしいので,観たいな観たいなー。今後注目したい女優さんです。

でも今回一番の収穫は,高畑充希の演技力を目の当たりにできたこと!
この女優さんも名前だけは知っていて,『ピーターパン』とか『奇跡の人』とか舞台で活躍されている方というのも知っていたのだけど,きちんとお芝居を観ることはなく今まで生きてきてしまったのよね…。今回このひとの魅力を感じられてとても満足!
見た目きゃぴ♡だけど実はすごく傷ついていたり同性とうまくコミュニケーション取れなかったり(いや異性もか),でもそれを抱えながらなんとかやり過ごして生き延びているこのひとが,とても愛おしくて魅力的でした。二階堂ふみのところでも松岡茉優のところでも言ってますが,彼女もまたお芝居の間・テンポが絶妙で,あと真木よう子とは違う方向でひとを巻き込む力があるからすごいなぁ。『ごちそうさん』では歌も披露していたと知って,観なかったことを若干後悔しています。このひとはいつか,舞台で観たい女優さん!


その他のところで言うと…

またちょっと脚本の話になりますが,最初が舞台作品みたいでびっくり!面白いつくりでした。観たこと&読んだことないけど,ゴドーっぽい感じ。ぐいぐい引き込まれちゃいました。
舞台っぽいから,いきなりカップスとかが始まっても全然違和感がないという…。魅せてくれるドラマだなぁ~と改めて思いました。

あと,「楽しそうに演技してる」っていう雰囲気を舞台から感じたことはたくさんありましたが,ドラマから感じたことは今までなかったんです。「楽しそう」は,あくまで演出や演技によるものだって。だ・け・ど!!!この作品は本当に楽しそうにお芝居してるなーっていうのが画面から伝わってきました。驚異的!観ていて本当にワクワクしました。

もちろん坂元裕二作品なので,ただ楽しいドラマではなくギャワワワ…という思う部分もたくさんありまして…パワハラとか男社会にやられてしまう女性たちの現実がきちんと描かれていて,胸が苦しくなりました。「今どきこんな会社あるの!?」って思ったりもしたんですが,でもきっとあるんだろうと思います。そして,大人になってしまったら,なかなかパーソナリティを変容させることは難しい。最近観た映画の『リトル・チルドレン』でも強く思いました。溜息が出てしまうけど,それもまた現実だしそれでこそリアルな世界だなと思います。


先日知り合いとドラマについて語り合う機会があり,「どうして『それでも生きていく』や『最高の離婚』を観ていないんだ」と突っ込まれたので,今後の宿題にしたいと思います。あと『私たちの教科書』も気になるので,観たいと思います…。

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