Sunday, March 29, 2015

『ルーヴル美術館展 日常を描く-風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄』


(公式webサイトより)

@国立新美術館

フェルメールの「天文学者」が見たくて足を運んだルーヴル美術館展。
2008年にも東京都美術館で開かれたルーヴル美術館展に行ったのですが,当時のものはフランスだけに焦点を合わせていた企画展でした。今回はヨーロッパ。規模が大きめ。同じルーヴル美術館展と言っても,いろんな切り口があるな~と感じることができました。


作品を見る前から心ときめいたものがありました。それは…

音声ガイド!!!!!

なんと,普通の音声ガイドの他に,コナンガイドなるものがあるではありませんか…!
その名の通り,『名探偵コナン』の江戸川コナンくんが絵の解説をしてくれるという…。
しかも日テレアナウンサーの枡太一くんとコラボしてるという…。
お値段は一般ガイドと一緒…だったら…

コナンくんを選びますよね(*゜▽゜*)♡笑

子ども向けだから当然わかりやすいです。わかりやすいは正義です。私が人生で追い求めているもののひとつでもあります。笑


さてさて本題に入って,私の心がときめいた作品を記しておきたいと思います。
(作者の前の番号は,作品リストに掲載されているナンバーです)

10.クロード・ロラン(本名クロード・ジュレ)
《夕暮れの風景》 おそらく1639年
…見ていてなんだかほっこり。やぎがてってけおうちに向かって戻ってるのかなーとか思うとかわいい。色合いもきれい。

11.リュバン・ボージャン
《チェス盤のある静物》 17世紀前半
…音声ガイドを借りてよかったと思った作品。多分普通に見ていたら普通にスルーしてしまったに違いない。一枚の絵に,視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚を感じられる素材が散りばめられていて,静物画はただそこにあるものを描いている訳じゃないんだなーということをしみじみ感じました。モチーフから意図を読み取ることが,もっとできるようになりたいなーと思います。

38.ヨハネス・フェルメール
《天文学者》 1668年
…本日のお目当て!拝めて幸せだった反面,昨年《地理学者》を見逃したことをひどく後悔しました。当時は学者達の間で“日本の着物っぽいものを着るとそれっぽくてイイ”と,着物っぽい上着を着ることがブームになっていたそうです。面白い~!
この陰影のつけ方は,さすがだなぁと思います。

42.ジャン=バティスト・グルーズ
《割れた水瓶》 1771年
…今回私の心に刺さった作品のうちのひとつ。思わずポストカードもクリアファイルもどっちも買っちゃいました。
まず面白いと思ったのが,絵が円形だったこと!絵も額縁も丸い~!かわいいというか面白いというか。(きっと失ったものがあるのに,どうしてそんな顔でいられるの?そうでもしないといられないの?)
と,いろいろ問いかけたくなる一枚でした。白い肌と,ピンクの花がきれい。

48.ジャン=アントワーヌ・ヴァトー
《二人の従姉妹》 1716年頃
…これを見た瞬間,2007年に世田谷パブリックシアターで観た,こまつ座&シスカンパニーの『ロマンス』(作:井上ひさし)を思い出しました。舞台の前の方で大竹しのぶと木場勝己が二人で笑い転げているのを,後ろから見つめている松たか子。そのシーンを,思い出しました。
だから画面中央寄りの女のひとが,とても切なくて愛おしく見えました。背中から滲み出てくる気持ちに,少しだけ触れられたような気がします。

55.ペーテル・パウル・ルーベンス
《満月,鳥刺しのいる夜の風景》 1635-1640年頃
…満月なのになんじゃこの明るさー!と思いました。笑
鳥刺しがどこにいるかもさっぱりわかりません。笑
タイトルと作品の雰囲気が良い意味でずれていて,印象的でした。

57.二コラ・ラングレ
《狩りの食事》 18世紀
…狩りなのにカラフル…!なんだかどやどやしている…!貴族とか位の高い人たちにとっては狩りはスポーツ的な要素があったのだとか。つまり自分を良く見せる場ですね。かっこつけたがりの人たちは大変ですね。なんか,とにかくどやぁ!ってしてて良いなと思ったのです。笑

63.ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
《鏡の前の女》 1515年頃
…フライヤーで使われている,今回特に主催者側から推されている作品。だから選んだのではなくて,面白いなーと思って。
この時代は「360度見られるから彫刻スゴイ」と思われていた時代だったらしいです。絵は平面で,一面しか見られないから。なのでその彫刻に対抗すべく,一枚の絵に鏡を取り入れて複数の見方ができるように(彫刻に対抗できるように)した!という手法があったようです。それがコレ。なんてシュールなんだ。いろんな角度から味わえるということはすごいことなのだろうか。わからない。わからなすぎる。笑

70.ジャン=バティスト・イレール
《幸福な囚われ人》 18-19世紀
…なんかもう何も言うことはなく,見たままというか。一番ぐさりときたやつ。

73.ジャン=バティスト・カミーユ・コロー
《コローのアトリエ》 1873年頃
…女のひとの後ろ姿がきれいで,何を思っているのかわかるようでわからない。でもきっと何かがむくむくと膨らんでいるんだろうなと思うと,静かに燃えている情熱が素敵な作品だと思ったのです。コローの絵を見ながら,この子はなにを考えているんだろう。ワクワクしちゃう絵です。
あと,女の子の髪型がカワイイ。笑

81.ユベール・ロベール
《ルーヴル宮グランド・ギャラリーの改修計画,1798年頃》 1798年頃
…これも音声ガイドがなかったら,私の中ではただの一枚の絵になったに違いない…。学ぶひとにやさしい場所というのはすごく重要だと思うのです。熱心さにひかれた一枚。


全体としては,テーマごとにまとまって展示されていて,とっても見やすかったです。
年代とかエリア(イタリアとかフランスとか)とか,そういう分け方もできたと思うのですが,「労働」とか「恋愛」とか,ひとにまつわるテーマごとの展示だったので,しっくりきました。数も多すぎず少なすぎず,ちょうどよかった!

あとやっぱり音声ガイドのコナン×枡くんが…たまらなかったです(笑)


早くフランスに…ルーヴルに行きたい…。
改めてそう感じた作品展でした。

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