Saturday, December 27, 2014

長野県松本蟻ヶ崎高校演劇部 自主公演『Nippon, cha cha cha!』

(長野県松本蟻ヶ崎高校webサイトより)

@松本市Mウイング

作:日下部英司・長野県松本蟻ヶ崎高校演劇部
出演:長野県松本蟻ヶ崎高校演劇部

まさかの!4回目の観劇!
今まで同じ年に同じカンパニーで同じ作品を観た記録は最高3回だったので,更新…!

7月から半年くらい追わせていただきましたが,率直に言って今回が一番良かったです。
この間一巡してまた戻ってきた(ように見えた)ところや,新たに取り入れられたところもあって,これが今の蟻ヶ崎の皆さんが私達に示したいものなんだろうと思いました。ここまでくるのに,これだけの時間が必要だったんだろうとも思います。

今回は自主公演ということで,部員のみなさんが全ての広報を担当しなければならなかったと思うのですが…,ポスターがすごーく良かったです!あれだけ描ける方が部にいるってすごいですね。強みですね。
でも素敵だったからこそ,パンフレットにお名前がないのはもったいないように感じました。←描かれたご本人の意思もあるかと思いますが…。
それにしても,ドラクロワの絵がこんなにもうまく当てはまるものなんですね…。

さて中身の話です…。最近,登場人物が怒(いか)ってるお芝居(ミナモザの『みえない雲』)を観て,ふと気づかされたことがあります。
(そっか,怒るとか,感情を出すって,こんなふうに全身から溢れ出るものだよなー)って。怒りも,喜びもそう。あと,伝えたいという意思があれば,自ずと体が動くものだろうと。思うのです。後付けの,小手先の芝居…という訳ではなく,自ずとついてくるもの。それがこの『Nippon…』にはないなーって!ミナモザ観て気づいたんです!
せりふは出ているのに,伝わってこない(ここまで届かない)気がしちゃうのはなぜ!?って思ったときに,(あ,声と表情しかないからか…)って。後付けする演技と,結果としての表出は全く別物だけど,後付けする演技を過剰に嫌って,表出をセーブしている演出のように感じました。例えば言いたいことがあるのにうまく言葉に出来ないときって,考える前に手とか動いちゃうじゃないですか。ああいうのがなくて,頭で考えて行動をセーブしている感じなのかな~。←反対に,後付けしまくってる(とりあえずノンストップで動く)ものの典型が,今年の中信地区で言うところの美須々なのかなと思います。もちろんどちらが良い悪いではありません。

あとは,やっぱりこのくらいのサイズのハコと床の色がいいですよね。黒い道具が見えますよね。

あと普天間南の部長さんの衣装が赤×白ボーダーじゃなくて安心しました(笑)。でも福島からやってきた安達さんはすっぽり黒タイツになってしまったので(前は7分とか8分丈のレギンスだった),体のライン(下半身?)が消えていました…。残念です…。

はっ!残念と言えば,せっかくの自主公演なのだから,カーテンコールで一言お聞きしたかったです~…。パンフレットにはもちろん書いてあるのですが,生の想いをお聞きしたかったなという気持ちがあります。

さらに残念と言えば,最後の最後の音響はあれで良かったのでしょうか…?なんだかしっくり来なかったです…。それ(オペレーションミス?)によってラストの解釈も違ってくるかなと思います。

反対に「おっ」と思ったのが,蟻高のラスト。前はだらっと見えていたんですが,今回は完全はける方へ行ったので,私は見やすかったです◎
あ,でもせっかくドラクロワポスターがあるから,先生お手製の観光の旗とか作ってパタパタしながらみんなを引率していったら楽しそうだな~。(←遊びたい人。笑)


4回目にして,楽しそうにしてる部分が増えたなーと思いました。微笑ましかったです。(でも本質じゃありません。どちらかというと,こここそ小手先に入るやつ。妄想の観光の旗パタパタもしかりです…!)

これからまた新しい作品に取り組まれると思うのですが,感情を適切に表現していくことが今後の蟻ヶ崎の皆さんの課題になるのかなと勝手に思っています。出せないことがある意味「いい子」と呼ばれる訳なので,一作品の演出としての課題なのかキャストさんご自身の課題なのかは謎ですが,もっと表現できる自由というか,そういうものを体感できると幅が広がるんだろうな~と思います。

この半年,ひとつの作品に丁寧に向き合う皆さんを追わせていただくことができました。成長していく作品を観客のひとりとして見守ることができ光栄でした。
蟻高のみなさん,お疲れ様でした。

No comments :

Post a Comment