Sunday, November 2, 2014

第31回長野県高校演劇合同発表会 東海大学付属第三高校演劇部『桜井家の掟』

(長野県高校演劇合同発表会パンフレットより)

@ホクト文化ホール

作:阿部順
潤色:東海大学付属第三高校演劇部
出演:東海大学付属第三高校演劇部

2003年,2004年に続き,3度目の東海大三。顧問の先生のお名前が以前とお変わりなく,私立ってすごいなーと思いました。
私が現役だった頃は,「北信といえば私立」というイメージで,長野日大とか清泉が県大会の常連でした。でも今は顧問の先生が替わられたりして,どうやら公立の時代が来たみたい。きっと私立は,公立とは違う「継承の大変さ」みたいなものがあるんだろうと思います。

さて感想ですが…

狙っているところはわかるのだけど,なんだかでこぼこしている感じ。

特に気になったのは,蘭ちゃんのカツラと杏ちゃんの衣装…でしょうか。いや,衣装は個人の趣味がかなり関係してるかもです…。

ワルな印象を与えるために金髪というのはよくわかるんですが,もっさりというか…。それをヘアピンでぴしーっと落ち着けているので,もっさりなのです…。わざとらしいというか,不自然というか…。
地毛を染めるわけにはいかなかったと思うので致し方ないかなとも思うんですが,例えばスプレーでその日だけ金なり茶にするとか,もう少し長いカツラにするとか,あるいは地毛に金とかポイントのメッシュを付けるとか。ちゃらっちゃらしてるのを自然な見た目で出す工夫が,もう少しほしかったなーと思います。

あと,杏ちゃんの衣装…。
衣装というよりは,きゃぴっとした服(絶対領域出てるし…!)なのにメガネで落ち着いちゃってるので,なんだかイメージがちぐはぐしてしまってるんです。夏実ちゃんみたく,しっかりフレームならカジュアルなんですが,銀フレームのままだとまじめ過ぎに見えて,どちらかというと衣装というより役者さんの趣味なのかな?という印象を持ってしまいました。

お芝居の面だと,真希ちゃんが気になりました…。
どちらかというと真希ちゃんは,自分の思いをためてためてぷちっと来た時に一方的にばばばばーっと放出するタイプの子だと思うんですが,せりふの出が本当に一方的に聞こえてしまって,場で会話している感じが見えなかったのが残念です。せりふの出が一方的…というのは,相手がどんな反応をしているか見ていないというか。一本調子というか。なんだろう。「呼びかけ」に近い感じ…でしょうか。場と会話じゃなくて,投げかけでおしまいになっちゃって。でもまだ1年生の方のようなので,これからぐいぐい伸びることを期待しております…!

夏実ちゃんは3年生の方ということもあり,役柄がお姉ちゃんということもあり,なんとか家庭をまとめようとしているところが見ててかわいらしかったです。まとめようとして,うまくいかなくてテンパってるあたりとか。ただ終始せかせかしている印象も受けたので,落ち着くところは落ち着くとか,緩急があるとさらに良かったなぁなんて思います。

男性キャストは…もう少しリラックスしてお芝居しているところを観てみたいなぁと思います。
特にお父さんは奥さんに接するやな夫ぶりと,電話でのデレデレぶりがもっと極端だと面白くなりそうです。

小道具のことで言うと,最後に超特大ケーキが出てきますが,苺の色がいかにも!という感じでプラスチックプラスチックしてたので,もう少し濃い赤に塗りなおすなど,細かい手直しがほしかったなぁと思いました。
それから,靴下をはいてるひとはどうしてもつるつる床を滑ってる感じで,変に気になってしまいました。滑らない工夫を靴下か床に仕込めると,余計なところに視線が散らずにいいのかなと思います。

「すずらんの里」とか「原村」とか,東海大三のみなさんにとって身近な地名に変更されていて,脚本との距離を地理的(という表現で良いのだろうか…)に縮めようとするところは素敵だなぁと思いました。
ちなみに私もすずらんの里,好きです(笑)。6:14高尾発松本行きの電車に何度も乗ったことがあるのですが,夏にその電車に乗るとすずらんの里あたりの景色がとってもキラキラしていて素敵なのです…!降りたことないですが,降りてみたいといつも思ってます。長野県内で一番かわいい駅名だと思ってます。

肩の力を抜いて,ナチュラルなお芝居をしていくことを意識できたら,もっと良い作品になると思います!3年生の方が抜けても,まだまだ十分な人数がいらっしゃるので,今後に期待です。
東海大三のみなさん,お疲れ様でしたー!

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