Saturday, October 11, 2014

テレビドラマ『月に行く舟』




◇STAFF
作:北川悦吏子
演出:堀場正仁

◇CAST
和久井映見/谷原章介/橋爪功/栗原小巻

昨年もこの時期のCBC制作の北川悦吏子脚本で,『月に祈るピエロ』を観ていたのです。
常盤貴子が好きなので。あと谷原章介も。
「全く会うことなく,恋に落ちることはできるのか」みたいなことに挑戦していた作品のようで,岐阜県の風景と大人な恋愛がとても素敵でした。
土曜の午後っていうこともあるのかな,ちょっとした現実逃避感もあって,観た後なんとも言えない気持ちになりました。

ので,今年も『月に~』シリーズが放送されると知り,期待しておりました(´▽`人)
ヒロインは和久井映見に。そして谷原章介の続投!

今回北川悦吏子は,最初に会って数時間で恋に落ちるかということに挑戦していたよう…。
こんなにも少ないキャストのドラマって,あまり見ない…。すごーくシンプルなところを追求しているんだなぁと思いました。
佐々波夫妻と和久井映見&谷原章介のコントラストがよかった。何十年も連れ添った夫婦と,今日初めて出会った男女。大切にしている部分が,同じ男女でも全然違うんだなぁと。当たり前なんだけど。

私も今年,すごく時間をかけて行った駅があって,そこは特急も停まるのだけどそのときは運休していて,鈍行も間引きで運転しているから,昼間はすごく静かなところでした。
岐阜県は私の出身,長野県の隣だから,自然の感じとか,どことなく似ていて,親近感。
エンドロールの川の音とか,鳥のさえずりとかもよかったなぁ。
CGたっぷりの,VFXたっぷりの,効果音たっぷりの現代的なドラマももちろん素敵なんだろうけど,このドラマは自然そのものが効果的に使われていて,良かったです。花とか。

あとはやっぱり北川悦吏子の言葉が素敵だった。
90分観て,一番印象に残ったせりふは↑の画像にも書かれているけど,

「夏の終わりに,僕たちは,おそろいの闇の中にいた」

でした。

“おそろいの闇”っていう言葉の選び方が,良い。


最後,和久井映見が「におい」を谷原章介に渡すところ,あそこがこのふたりの全てなんだろうなと思いました。
言葉でもなく,キスでもなく,におい。
きっとこの先どんなにおいに触れても,たとえ同じにおいの別のひとに出会っても,その人以上に蘇る思い出はないんだろうなと思うと,においとは,とても強い存在です。目に見えないのに。

同時に相手を縛ってしまうものでもあるのに,谷原章介はあのコロンをこの先どうするんだろう。


じわじわ,じわじわくる大人の作品。(このあとふたりはどうなるんだろう)と,ドキドキハラハラというより,ときときする感じで観てました。昨年の『月に祈るピエロ』とあわせて,DVDにならないかなぁ。

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